壊さなきゃ始まらないと分かっていても、迷いは残る

2017.06.05

多少なりとも覚悟を決めたつもりで、色んな物事に向き合っているけれども、そこには常に「破壊」や「否定」の影がちらつく。先人が苦労して作り上げたものを壊さなきゃいけないというのは、毎度辛いなと思いつつ、それでも何とかしなきゃなとも思う訳で……。

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「破壊」も「否定」もしなくていいなら、気楽なのに

そう思っていても、目の前の問題を解決しようと思うと「改善」や「革新」が目先にぶら下げられる。先人の積み上げてきたものであっても、最上位に当たるコアの部分が固まりきっていなかったり、これまでやってきたことがこれからは正しくないんだろうというのも見えてしまったり。相手が変わることを待っていたり、理解を待っていては時間がかかりすぎるのも分かっていると、どうしても力業になってしまいそうなのも、辛いし、悲しい気持ちにもなる。

「やるべきこと」だろうし、「避け続けることもできない」ことだろうし。「いつか誰かがやらなきゃいけないこと」、だろうし。誰かがそれをするぐらいなら、自分がやろうとは思うし、多少覚悟をしたつもりなんだけれども、どうしても躊躇してしまう。やっぱりどこかに、「罪」の意識があったり、「痛み」の感覚があったりするんだろうなぁ……。

ただ「作るだけ」とか「少しの改善」で何とかなるようなものならすごく気楽なんだけれども、それでは間に合わなかったり、お茶を濁すだけに終わるのが分かってしまって、「それでいいじゃん」と見て見ぬ振りもできない生真面目な性格もまた、自分を苦しめてしまったりね。で、迷うだけ迷って時間を使ってしまって、救えなかったものが増えていくのを見ているのも辛いんだけど……。

どれだけ苦労して作ってきたかもなんとなく分かるし、今残っているものを大事に守ろうとする人がいるのも見えているし、今までそれなりに役割を果たしてきたことも理解する。まだもう少しそのままでも活躍するのだろうし、作った人もまだ見えているし。元気に脈を打っているのも伝わるソレを否定して破壊するというのは、キツイ。

でも、壊さないと始まらないものもある

スサノオがオオゲツヒメを殺して稲や粟、小豆が生まれた神話もあるし、一説にはツクヨミがウケモチを斬り殺して同じような現象が起きたという神話もある。神話に留まらず、ユダがキリストを裏切らなければキリストは蘇ることもなかった。

日本全国にあるトンネルだって、一種の御神体。それらを壊して土手っ腹に穴を開けないと、トンネルなんて作れやしなかった。ある意味、罪を犯さないとできなかった存在だ。そのトンネルを作るダイナマイトだって、必ずしも「正しいもの」ではなかった。ダイナマイトに限らず、力を与えるものは全ていいことにも悪いことにも使われている。

じゃあ、そういったものが生まれなければよかったのかというと、そうではない。やはり、生まれるべくして生まれているのであって、誰が作ったとしても、生み出したその人はいくらか「罪人」扱いをされたに違いない。あのアインシュタインだって、原爆を生んでしまったことでいくらか悔いただろうし。

そういう意味では、戦争全般もそうだろう。正しい戦争なんてないはずだけれども、戦わなければ守れなかったものも、勝ち取れなかったものもあるわけで。緊急事態には罪も犯さないといけない場面もある。

おまけに、何も殺さずには生きられない

我々がタンパク質を摂らないと死んでしまう以上、動物や植物に限らず、何かを喰わずには生きられない。自分の手を汚さないだけで、屠殺をしてくれている人は必ずいる。皮ものの装飾品を持つということは、そういう解体をしてくれている人のお世話にもなっている。植物だろうと、魚だろうと命は命。生きる上で、他の命を喰わずには生きていけないのが生き物の宿命。

分かっているつもり、だ。分かっているつもりで、覚悟も固めたつもりなんだけども、やっぱり迷う。できることなら手を汚さずに、誰も悲しませることなく、自分も悲しむことなく前に進みたいのだけれども、前に進むには「否定」や「破壊」が必要な時もある。

物理的なものに限らず、力というのは時に暴力になるのは間違いない。振るう側、受ける側が変われば解釈が変わるだけで、加減をしたって他の誰かを傷つけることは避けられない。何かを成す力があるということは、その裏にあるものも引き受けなきゃいけない。

相手に共感できるから、どうやれば効果的に倒せるかも分かってしまう。反撃を防ぐ方法も見えてしまう。弱いと思われているから取れる動きは無限に出てくる。その上でどう振るえばいいかを組み立ててしまうのも、たまに悲しくなる。それでも、やらなきゃいけないんだけど。

まあ、アウフヘーベンをしたいから、「破壊」や「否定」もやるさ。破壊をしないで創る人たちが沢山いるからこそ、ね。それでも、まだまだ迷うんだろうな……。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.06.05

2017.06.05

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