予算をケチる案件、安さを追求する案件も短命なことが多かった

2017.08.27

経歴を振り返る中で出会った失敗事例、納品したものの短命なビジネスに終わった案件なんかをネタに思考の変遷も絡めてアウトプットしてみる。今回は、外から見た事例も含めて短命だろうなという仕上がりも合わせてまとめてみる。

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サイト制作費≒人件費。抑えすぎると投じた費用は回収しにくい

たまに見かける妙に安い提案とか、テンプレート対応のサービスなんかも、何も考えずに利用してしまうと上手く利活用できないケースが多い。Webサイトの発注だけでなく、ビジネス的な他の領域にもコストのかけ方を見誤っているパターンをチラホラ見かけた。発注する側が、「何のために発注するか」を見誤り、「とにかく安く手にいれること」から抜け出せなくなると、巻き込まれた業者共々損をする羽目になりがち。

安く出来上がったWebサイトは、やはりどこかが足りていない。配慮が足りていなかったり、デザイン的に目劣りしたり、SEO的な内部構造がガタガタだったり、必要なページが不足していたり、取材の踏み込み方や写真の撮り方が甘かったり。「ビジネスをする上で役に立つ」レベルに至らないケースは稀によくある。顧客の満足は満たしているケースが沢山あったとしても……。

「SEOだけは得意」、とか「デザインは得意」とか、一点特化で安価になっている事業者さんに発注するのも、よくお考えになった方が良いような……。どこかに大きな弱点を抱える仕上がりになってしまったり、そもそも、「Webのセオリー」や「ビジネスそのものやマーケティングなどのセオリー」を満たさないものが出来上がってきてしまう。

また一方で、「ご自身で何でもやっちゃう」タイプの事例も、軌道に乗るまで時間がかかる。コストを抑えようと無料ブログや無料サービスでサイトを構築したり、SNSだけで頑張ってみたり、「素人でもできる作り方セミナー」に通ってやり方を学んだり。分からないところだけを専門家に外注するようなやり方も、今からでは通用しにくい。

情報が溢れる世の中、横並びのWebサイトの中から見つけてもらう、勝ち抜いていく。感度の上がった生活者、目の肥えたビジネスマン相手に納得してもらって関係を繋ぐというのはそう簡単なことではなくなっている。エンドユーザーの満足度以上に、世間一般の満足度、Web情で求められる水準を満たせているか否かもポイントになってくる。

あと、密かに微妙だなと思っている要素をあげると、「自分でセミナーや講座を一所懸命やっている人」とか「商業出版を数回やった人」にクリエイターとしてお願いするのも、費用対効果的に合わなかったりする。スキル的に今ひとつだったり、成功パターンが過去の経験に基づいているものだったりして、今のセオリーと比較するとイマイチな仕上がりになってしまったり、ズレた戦略を選択しているのを見かける。

「招かれて登壇している人」とか、「マーケティングの一環から外れた商業出版をしている人」とか、「なんらかの資格を有していて、講師的にセミナーをしている人」は例外かな。とにかく自分で自分の影響力を高めようとしているタイプは、眉唾がベター。

ビジネスに強いケースだとデザインや感性の部分で今ひとつだったり、デザインに特化すると文章やコンテンツ的に甘かったり。Web広告を使った手法が得意なケースも、長く使うWebサイトとしては微妙なものしか作れないというのも良く見かける。見極めが難しいところだけれども、そういう著名なケースは担当者のSNSを良く見る、その人のHPの仕上がりや投稿している写真や動画を良く見てセンスを見極めるようにされると事故が少ない。あまりにも古い技術を使われている場合は、避けた方が無難。

ワンパターンな提案、ビジネスの在り方に踏み込んでこない技量不足の業者を選定する案件も、短命に終わりがち

とにかく費用を抑えようと、小規模な事業者や知り合いの伝手を使ってクリエイターにたどり着いてみても、上手くいかないケースがよくある。とりあえず形にはなるものの、「ビジネスのこと」をそもそも分かっていなかったり、「相手のこと」をしっかり見ないまま、お決まりの対応だけをしてサヨナラされてしまったりすると、「作った後」は目も当てられない状況に陥りやすい。

もちろん、「型」が決まっていてスピーディに仕上がってくること自体は悪いことではないし、そういった一定の作り方を見出しているところの方がはるかに安心なんだけれども、問題はきちんと相手の話を聞こうとしているかどうか。形にしただけでその後のフォローが甘くなってしまうと、役に立たないものになりがち。

ビジネスの展開方法、マーケティング的な施策、あるいはブランディングやプロモーションまで一緒に考えられるところと組めるかどうか、作るときの費用は抑えながら、作った後のアフターフォローで柔軟な対応してくれるところかどうかは見極めた方が良いように思う。

教訓1.何事も「安い」ことが良いとは限らない

才能やスキルをかき集めて作り出されるのが、Webサイト。目一杯やってみても求める結果が得られるとは限らないのに、抑えてしまうと得られる結果はその分尻すぼみになる。きちんとした事業者に対してであれば、かけた費用とある程度相関する形で回収できる利益も上がっていくはず。その辺りの見極めが肝心かと。

ただ、一方でその辺りのセオリーを崩してしまった同業者や半分詐欺みたいな連中がいるのも事実なので、その辺りは申し訳ないなと思ったり。

教訓2.「なんのために作るのか」を明らかにしておく

見栄を張るために作るものでもなく、とにかく安く手にいれることを目的にするのでもなく、ビジネスをする上で使うもの、それを使って利益を出していくんだということを、よくよく考えておいていただきたい。そうすると、一気にガツンと見栄えの良いものを作るべきなのか、少しずつレベルアップをさせていく方が良いかはすぐに分かるはず。もちろん、予算に余裕があるのならどちらも追いかけていいんじゃないかと。

見栄えも良くして、SEOも強くして、しっかり訴求力もあって、ビジネス的にも貢献してくれるサイトを作るとなると、それなりにコストをかけざるを得ないというのはよくよく分かっていただいた上で、どこを犠牲にするか、どこから手をつけていくかを判断していただきたい。

また、運用に関しても「とにかくケチる」ことが正義になってしまうと何にも得られないので、かけるべきコストはきちんとかけるようにした方が良い。

教訓3.「分かっている人」や「分かってくれる人」に依頼する

アウトソースするつもり、丸投げするつもりで依頼するよりは、半ばパートナーとして声をかけた方がお互いに、そしてエンドユーザーや世間的にも得な結果が待っている気がする。ビジネスのことやマーケティングのこと、予算の抑え方や戦略的なツボの抑え方を分かっている人、Webのセオリーやポリシーが出来上がっている人、顧客のビジネスに対して顧客以上に理解しようと努力してくれる人、時に厳しい要求をしてくる人と組んだ方が良いビジネスができるんじゃなかろうか。

黙々と作ってくれる人よりは、一緒に考えてくれる人、同じ目線でコミュニケーションできる相手を引き込む方がサイトができた後も安心してビジネスに取り組むことができる。

「業者のできる限界」ではなく、そのビジネスに対して必要な水準を追求する、終わりなく高めることを提案してくれる人を仲間にした方が上手くいくビジネス、無駄にならない投資になるかと思う。そういう意味では、エンドユーザーの満足だけでなく、世間様の満足、将来の顧客の満足も満たせる人、過去の実績より未来の可能性、今の姿勢で組む相手を選ぶのがいいんじゃないかなぁ……。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.08.27

2018.04.29

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