良くあるご相談、「原稿が足りない」

2017.08.27

経歴を振り返る中で良く遭遇したパターンをもう一例、拾い上げてみる。いかに対応したか、仮面ライターならどう対応するのかも合わせてアウトプットしていく。

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チラシやなんらかの報告書、メモを元に「作って欲しい」場合

すでに販売促進のツールとして、名刺やチラシなど印刷物を作っていたりする場合や、他の専門家やコンサルタントに相談された結果を書面としてお持ちの方、無料ブログやSNSなどをご利用していて情報量は十分あると思われている方にありがちなケース。Webサイトとしての形を成すため、あるいはHPとしての機能を十全に果たすには情報の幅や深さ、準備できている原稿が量質ともに足りないという事例に結構遭遇する。

また、どんな情報を載せればいいかをご自分で考えて、事前に思いつく限りの原稿をご用意していただく場合でも、一定の意味を成す情報群として物足りないということも良くある。また、事情としてはややずれるものの、Web上で使うにはふさわしくない表現やスタンスで書かれた原稿もよく見かける。色々と使えるところを摘んでいくと、やっぱり原稿が足りないという事態に出くわすのは珍しくない。

また「原稿が足りない」と似て非なるご相談としては、「何を書いたらいいか分からない」とか、制作として着手しているにも関わらず、原稿がまとまらなくて工程が進まないというパターンも、決して珍しくはない。HPが欲しくて、どんな人に伝えたいかも明らかで、どんな風に利活用するかのイメージもできているけど、どう情報を展開しておけばいいかわからない、どんな情報をまとめればいいか分からないという案件、ご相談も何度か対処してきたので、どう対処したかを整理していく。

まず、「発信したい情報」ではなく「受け取りたい情報」で組み直す

ご相談者はどうしても「自分の伝えたいこと」や伝えたい気持ちが強くあり、受け手が求めているものや、受け取りやすい順番、飲み込んでいきやすい順番などには気がつきにくい。とにかく情報をぶつければいい、量を出せばいいという判断で沢山出そうとするのも、かえって顧客を遠ざけがち。一所懸命に文章を書いたとしても、「分かってもらいにくいスパイラル」が加速する羽目にもなる。

そこで、一旦積み上げ式に考えるのをやめて、「受け手の求めているものは何か」という視点から、逆算して必要な原稿、情報を見極めていく。飲み込みやすい順番、流れなども起承転結のイロハなどを駆使して組み立て直してみる。また、ペルソナが気にかけそうなポイントや、よく不足しがちな要素についても仮の原稿を用意しながら、本当に必要な文章を絞り出してもらうようにしている。

この時も、できるだけ沢山アウトプットしてもらうことを心がけている。一回で完璧な文章、完璧な表現に落ち着くことはまずないので、同じことを伝えている内容であったとしても、何度も何度も書き出してもらって、そのアウトプットを足がかりにより良い表現をどんどん見極めてもらえるように、「見ながら検討できる状況」をご用意しながらやり取りを進めていくようにしている。また、これまでのケースと同様、原稿の不足という状態、必要なコンテンツが不十分な状態であってもできるだけ早期にリリースする態勢をとるようにし、よほど不味いダミー原稿でなければ、ある程度出来上がった状態でアクセス解析ができる状態を作っていく。どんな文章が読まれていそうで、どんなページで離脱が起きているのかをつぶさに検証して、精度を高めていくことの方が机上の空論に時間を割くより重要だと思っているから。

持ち込み原稿の「伝えたいポイント」を確かめながら、編集のサポートをかけていく

内容的には同じものであっても、飲み込みやすい順番であったり、伝わって欲しい部分のインパクトというのは、編集という作業によって大きく変わってくる。特に書き慣れていない人、アウトプットに不慣れな人の場合、そのあたりの勘所がよく分からないまま表現していたり、慣れている人であっても、「もっといい表現」が存在しているケースも少なくない。書きながら編集というのは、思考を拡大させながら絞り込むことを同時にやるようなものなのでなかなか難しく、できれば分業した方がものになりやすい。

「こういうことを伝えたいんだ」というメモ書きが出発点でも構わないし、それこそ使用しているチラシや、コンサルタントが作った提案書でも構わない。どこをより見て欲しくて、そのみて欲しい部分を引き立たせるために、どういう並べ方をする必要があるのかを、ある程度こちらで修正を加えながらやり取りして、内容のブラッシュアップ、足りない文章を引き出していくという作業も行える。そうやって、相談される前の時点では、原稿が足りなかったとしても、気が付いたら必要な情報が間に合っているという状態に持っていくことは十分可能になっている。

編集が終わると、校正をかけたり、受け手目線で表現をチェック

Webサイト上の文章というのは、印刷物の文章と違って、疑問を抱かれるとすぐに検索されてしまう。また、割と長い時間軸で使われることもあり、下手な表現や過剰な表現を選んでしまうと後々まで尾を引いてしまうというのも、珍しくはない。それに、数年前までと違い、昨今は「上から目線」というのにも敏感になってきている人たちがいる。

自分の方が知っている、教えてやるんだというスタンスで広告に走った表現や、ビジネスに走った文章を使ってしまうと、後々それが自分の首を絞めることにもつながりかねない。文章を読む相手を侮らず、また間違った表現や思い込みに基づく断定、一方的な断罪なんかをやっていないか、丁寧に確認作業をかけて行った方が無難にビジネスを進めていける。

また、これも書き慣れない人や表現することに慣れない人が陥りがちなパターンとして、「さらけ出し」が足りないというのも良くある。よそ行きの、どこから見ても隙のないいい部分、メリットだけを伝えているような文章や、その人や企業の「らしさ」というか匂いみたいなものを感じない文章になっていないかも、併せてチェックさせていただく。

Web上には日々、膨大な量の情報が流れていて、他の事業者もたいていの場合はHPを持っていて、予算の有無にかかわらず、受け手にとっては横並びで比較されるようになっているのに、悪い部分やデメリットを隠したような、魅力を半分しか伝えられないような表現、痛くもかゆくもない文章を出してみても効果は薄い。思い切って、二面性を出していきましょう、深い部分も出していきましょうとお伝えするようにしている。

最後に、コンテキストの説得力やブランドの整合性を確かめる

Web上の文章というのは、どうしても「ある程度の塊」に時系列的な流れであったり、一定の関連性を含んでいると思われがち。チラシだと、「それ一枚だけで完結する世界」があり得ても、HPの場合、「トップページだけで完結する」というのは難しい。

他のページでの主張、ブログでの主張や経営理念などのポリシーとの整合性がきちんと噛み合っていないと、いかに素晴らしいコンテンツでも十分に機能しない。ビジネス全体の一貫性、そのHPが一翼を担っている全体のイメージがきちんと伝わるものになっているかどうかも確かめる。

コンテンツを連ねると、コンテキストが生まれるし、小さなポリシーを積み重ねて、細かい表現に気を配っていくとブランドに変わっていく。そういった部分にまで気を配りながら、きちんとマーケティングやプロモーションも意識した原稿が用意できるように、全面的にバックアップする態勢を用意している。

どんなものが出来上がるか、目で見ながら、コミュニケーションしながら進められます

最初の打ち合わせ以降、早い段階でオンラインで確認できる状態を作ることを心がけています。どんなクオリティのアウトプットであっても必ず手を入れて、仕上がりをすぐに確認していただける形を取っています。その中で、お客様による校正やご要望をお伝えいただく、たたき台を元によりいいものを絞り出していただく、仮の原稿をさらにブラッシュアップしていただくという、とにかく面倒臭いやり方をご用意しているので、もし「どんな原稿を用意すればいいか、分からなくて困っている」という方がいらっしゃればお気軽にお声掛けいただければと思います。

これもやはり、どの段階から費用がかかって、どんなタイミングで契約を締結するのかがわかりにくい状態、打ち出し方を模索している状態になりますので、その辺りも疑問のある方、あるいはご提案のある方も、ぜひお気軽にお問い合わせいただけましたら幸いです。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.08.27

2018.04.29

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