良くある相談、「割とタダで出来るんじゃないの?」

2017.08.28

過去を振り返る中で遭遇した良くあるご相談、素朴な質問に対しても、自分なりの回答を出してみようと思う。「商売だから」だけではない理由も織り交ぜてアウトプットしてみる。

この記事は 約 7 分で読めます。

,

元手はかかりにくいと思われている?

「目に見えないもの」を扱っているからか、「労働力」という人件費がかかっていることをあまり見ないで、「やろうと思えばタダで出来るんじゃない?」というのは良く言われる。また、「無料でできる範囲でパパッと作れない?」とか。

確かに、無料で使えるサービスもあるし、無料である程度作れるサービスもゴロゴロあるし、使用する道具や素材に関しても、無料に近いものがチラホラ出ている。「労働力」を無視すれば、ほぼ電気代と通信費だけでできる仕事と思われても、仕方ない側面はある。「オープンソース」という枠組みの道具も使っているから、とことん安価に原価を抑えて提供することも無理ではない。いわゆる「アトム経済」に比べれば「フリーミアム」と親和性の高い「ビット経済」だと、「Googleみたいな有名どころも無料で収益を上げているんだから、君もできるでしょ?」と思われるのも、ある意味では仕方がないのかな。

でも、無料は無料で怖い側面がある

例えば、Webサイトをインターネット上に公開しようと思えば、「サーバ」と「ドメイン」とを持っておいた方がいい。「土地」や「建物」がサーバ、「地番」や「住所」が「ドメイン」。どちらもお金がかかる。まず、ここが分かってもらいにくい。

でも、賃貸物件を借りる場合を思い浮かべていただきたい。敷金も礼金も保証金もゼロで火災保険への加入も義務なしに契約をする。数日の家賃滞納で即座に追い出されてしまう。敷金、礼金等のお金をケチったために、「住まい」としての扱いではなく、「仮住まい」、ホテルや民泊のような扱いになってしまって、家財道具だなんだも処分されてしまうという怖いビジネスもあるという。

無料である程度のことができるサーバもあるけれども、その場合、大抵は広告が差し込まれる。また、無料のために突然サービスが停止したとしても、文句を言う筋合いがなくなる。上記の「ゼロゼロ賃貸」と似たような状況は起こりうる。

FacebookやTwitterのようなSNS、Youtubeのような動画サービス、Googleのような検索サービス、JimdoやWix、Amebaブログのようなブログサービスも、「いつ使えなくなるか」、「いつアカウントが凍結されるか」は全て運営側に握られてしまっている。無料であるが故に、そういった点で文句を言えない。

嘘の情報が混じっていても、修正を命令することは難しい。申請ができたとしても対応を待つしかない無料サービスもゴロゴロある。

表向きは無料でも、裏で何かされている場合もある

使う分には無料でも、こっそり検索傾向や誰と関係があるかというデータは収集されていたりする。広告への反応を収集する場に使われている場合もあるし、マーケティングデータをかき集められて、後で何かを送られてくることもありうる。

ごく稀に、無料で利用しているはずのユーザーの投稿を、なんらかの有料なコンテンツに利用されるケースもある。その場合、投稿したユーザーに著作権が認められず、何の利益ももたらされないまま才能や努力を収奪されてしまうことも起きている。

「無料」だと主導権や重要な権利を相手に握られたままになる

例えば民放を無料で見ているけれども、何を放送して欲しいか、どんな広告を間に挟んで欲しいかは選べない。向こうが提供するものの中から、欲しいものを選ぶ形になる。無料のWebサービス、制作サービスであっても、基本的には変わらない。どこまで提供してくれるのか、いつまで提供してくれるのか、何をすれば規約に触れて、何をすれば凍結されるのか。その生殺与奪に近い部分を無料で提供する側に握られたままになってしまう。

その上だけで、ビジネスをする上で重要な情報発信をやっているとどうなるか。想像するだけで怖くなる方がいらっしゃれば幸い。

また、「無料」だと責任を取る気にならない

事前に契約を交わして、いつの時点で仕事になる、利益になるかがハッキリしていれば別なんだろうけど、明らかに「無償奉仕」、あるいは「心意気での対応」の場合、上記と同じく無料で提供する側の胸先三寸になってしまう。「お金をもらっていないから」、仕事ではないし、お金をもらう仕事があれば、当然そちらを先にやる。途中まで話が進んでいたとしても、責任を担保する理由がなくなる。だから、何も進まない、形にならない、という結果にもなってしまう。

「受け取った」という意識もないから、「(できればもらった以上に)返さなきゃいけない」という意識も起こらない。結局、何の役にも立たないハリボテが出て来ればいい方で、大抵は何の形もなさないまま、時間だけが浪費されて終わる羽目になる。

「無料で作れる」ものを「上手く使う」には技術がいる

例えば、JimdoやWixでサイトを作る。WordPressなどを使って、最低限のサイトを立ち上げる。FacebookやTwitter、Youtubeを利用してビジネスに誘導してくる。着手は無料でできたとしても、使いこなすには技術を身につける必要がある。必要な技術を身につける時間、その間の生活費や新聞書籍、レッスン料も場合によっては必要になる。

何より、「無料で使えるから」と経営者自身が必死にそれにつきっきりになると、他のことに投じていたはずの時間、得られていたであろう利益も得られなくなる。この損失も、「無料で使える」、「無料で作れる」から発生するコスト。決して安くはないはず。趣味の範疇でやるならいいんだろうけど、業務の一環として取り組むのなら、経営者としてはセンスがないと言わざるを得ない。

世間の流れに追いついていく勉強のコストも、必要になる

趣味でやる分にはいいものの、ビジネスとして活用するには時代の流れ、技術の発展についていく必要がある。「タダでやれた」としても、「タダでやれた時点」のスキルでずっと役に立つものがご提供できるとは限らない。やはり、どこかで利益を得ないと勉強するための費用が捻出できない。Webサイト制作や、その利活用に従事する労働者に対して人間扱いしないのはご自由だろうけど、年々上がっていく「必要な水準」に追いついていくための費用はかけないと、どんどんジリ貧に陥っていく。それでも「目先はタダの方がいい」というのなら、ご自由にどうぞというところ。

だからといって、何でもかんでも「金金金」と言うつもりもない

商売でやっている以上は、「利益」を求めない方がおかしいのだろうけど、そこまでガツガツと目先の利益を追いかけるような姿勢は持っていない。自分も自営業者の一人だし、費用を抑えたいご相談者の気持ちはよく分かる。できるだけ費用対効果の大きいところ、リターンが可視化されたところに予算を投じて欲しいという気持ちもある。

だから、できる範囲はあるものの、ある程度までは無料で対応させていただこうとも思っている。例えば、「どんなサイトを作ればいいかぼんやりしている、企画にまとめて欲しい」とか、「売るための企画を出して欲しい」とか、「今のHPは何が問題でビジネスにつながっていないのか、意見が欲しい」とか。その程度の対応でよければ、いくらでも無料で対応させていただこうと。

「何か作る」とか、「着実に利益が分かっている企画をご紹介する」とか、「動くために経費が必要な場合」とかであれば費用についてご相談させていただくことはある。「責任を負わないと動けない」と判断した場合とか、「お返しするものを意識するためにお支払いただいた方がいい」と判断した場合とか、ケースバイケースで柔軟に対応させていただければと思っている。

「無料で相談したい」という方も気軽にお問い合わせして欲しい

料金体系を早くまとめて、早く出せって話なんだろうけど、各種専門家と同じく最初の相談や友人知人としての相談なんかは、いつでも無料で対応させていただこうと思っている。お声掛けさえいただければ、できる範囲をお伝えさせていただくので、お気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

また、契約に関するフローや契約内容の練り上げ、打ち出し方についてアイディアがある、意見があるという方もお気軽にお声掛けいただけると、非常に助かりますので、何卒よろしく願えればと思います。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.08.28

2017.08.28

Loading...
Facebook Messenger for Wordpress