どうせやるなら、工夫してやりたい

2017.09.08

痩せる痩せないの話と、心身の健康話を見かけたので、個人的な考えを起点にまたオチのない話を徒然と書いてみる。

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とにかく運動して食事に気をつければ、確かに痩せる

糖質制限がどうとか、有酸素運動がどうとか、サーキットトレーニングだとか、クロスフィットだとか。「なんとかダイエット」とかも散々見てきた。確かに、しっかりカロリーを消費して、食べるものに気を配って記録を続けていけば痩せるには違いない。ただ、本当にそれが効果的なのかというと、疑問が残る。

カロリー消費が大きいのは、基礎代謝

何もしなくても生命維持をするために必要なエネルギー消費が、基礎代謝。女性も男性も、基本的には1000kcalを超える。何をしていても、何をしていなくても消費されるのなら、まずここをどうにかするのが早い。

基礎代謝を上げるには、筋肉量を増やすこと。特に、姿勢維持に必要な骨格筋やら、体幹の筋肉やら。いわゆるインナーマッスルを強化していくと、「意識的に運動しなくても使う筋肉」は増えていく。基礎代謝量に関わる筋肉量が増えるのだから、当然基礎代謝量も増える。何もしてなくても消費されるエネルギーは増えていく。

次に手をつけるのも、やっぱり体幹

意識的に運動しようと思っていなくても、意外と身体を使っている。階段の上り下り、掃除や洗濯などの家事。もちろん、歩いて移動したり、自転車に乗って移動するのも、十分な運動。消費は小さくても、「塵も積もれば山となる」。生活活動代謝ともいうらしいけど、これも案外バカにならない。

姿勢制御やこういった動きに参加する筋肉を増やせば、さらに消費量は上げていける。効果的に消費量を増やすなら、体幹やらインナーマッスルやらを鍛えていく、動かしやすくしていくのがベター。

「身体の動かし方」も見直していく

「運動だ」となると、「とにかくジョギングだ」とか「とにかくランニングだ」とか「とにかく水泳だ」という人もいるだろうけど、やっぱりまずは「歩く」を見直すのが手っ取り早い。「歩く」に参加する筋肉を増やし、歩き方を工夫することで、消費するカロリーを増やすことはできる。

歩く上で消費カロリーを増やしたいなら、一番分かりやすいのは「ノルディックウォーキング」。ストックと呼ばれる杖を使いながら歩くアレ。何故あれが効果的なのかというと、「肩甲骨起点」で歩くようになるから。

「歩く」というと、どうしても下半身の運動だと思われがち。一歩ごとに動かす筋肉が小さければ小さいほど、消費カロリーは小さくなってしまう。ということは、その逆をやれば消費カロリーは大きくなる。一時、太ももの付け根から足を動かす「大股ウォーキング」みたいなものも健康番組で見かけたけれども、もっと大きく身体を動かすのであれば、間違いなく全身運動にしてあげるのが効果的。

「ノルディック」なら「杖をついて歩く」という分かりやすい動作のおかげで、無理なく全身運動に持って行きやすい。腕の動き、杖の動きが先行する形でウォーキングをしていけば、肩甲骨起点で逆側の足を動かす、クロス型の全身運動にできる。

この時、「腸腰筋」というインナーマッスルを知っていれば、さらに効果的なウォーキングに変えていける。「脚」の起点を太ももの付け根から、腸腰筋の付け根、腸腰筋を動かす起点の肩甲骨に意識を動かせる。その上で、「肩甲骨を引いて」足を踏み出すところまで無意識にできるようになると、相当効果的なウォーキングを行える。杖がなくても肩甲骨起点で歩けるようになれば、カロリー消費は格段に上がる。

この辺りの話は、『金哲彦のランニング・メソッド』(金 哲彦著 高橋書店)が詳しい。「ランニング」とタイトルに入っているものの、ウォーキングまでのメソッドでも十分役に立つ。

この時、インナーマッスルや体幹を意識的に鍛えていれば、ウォーキングに参加する筋肉は更に増やしていける。「とにかく歩いて痩せるんだ」という取り組みより、はるかに効果が出やすくなる。

とにかく、身体や脳に楽をさせないのがポイントらしい

「ランニング」や「武道」、「身体操作」をたどっていくと、ひねくれた性格もあって常識的とは言いがたい知見にもよく出会う。例えば、「ゆるむ」という言葉。スポーツというものを考えると、「とにかく頑張る」が普通に思えるけれども、真の達人はどうもその真逆を行くらしい、とか。

運動科学者にして、武術家であり、「ゆる体操」の考案者である著述家、高岡英夫氏の著書を見ていくと、その辺りの話題が目一杯出てくる。人が立つために必要なのは、首と腰の強張りだけで十分で、あとは自由自在に緩んでいる方が力が引き出せるのだ、と。かの剣豪、宮本武蔵も、『五輪書』にて、心も身体も水のように扱えと書いている、とか。

メジャーリーグに渡ったイチローが永きに渡って活躍できているのも、実は身体を自由自在に使えるからではないか、と。「体幹」、「体幹」と何度も述べているが、多少バランスを崩しても倒れることなく動けるのは、水のように柔軟な身体だけだ、とか。

自分の身体を知っているつもりになっているけれども、案外どの筋肉とどの筋肉が動いていて今身体が動いているのか、までは気にしていない。気にしなくてもいいように、「脳」というOSが出来上がっていて、外から半ばブラックボックス的に解釈して動かしさえすれば身体が動くと思っている。

だから、積み上げたブロックの塊にジョイントが付いているようなイメージを持つのかもしれないけれど、その状態でバランスをとって立っていても、カロリー消費は最小限に止まってしまう。体勢を崩し、身体にも頭にも負荷がかかる状態を見つける、その状態で身体を酷使する。そうすると、自然とカロリー消費も増えていく。

アウターマッスルも、上手に鍛えたい

身体の仕組みをそこまで熟知しているとは言い難いし、そもそも頭先行の理解をしているから、再現できるところまで取り組んでいないし、偉そうなことを言える立場では全くないんだけれども、いわゆる自重トレで鍛えたくなるアウターマッスル、見栄えに直結する筋肉も、取扱注意の要素はいくらでもある。

特に、身体の前側、前面にある筋肉は鍛えやすいし、鍛えた結果も目に見えやすいからつい力を入れてしまうけれども、鍛えすぎると太って見えてしまう。おまけに、実は身体の前側の筋肉は、アクセルに見えてブレーキの役割を果たしてしまう。

例えば、太ももの筋肉。ここの前側の筋肉が一番大きく、鍛えやすいのだけれども、踏ん張る時に使われることが多く、足を振り上げたり蹴り上げたりする際には、あまり役に立たないことがある(らしい)。スクワットで下半身を鍛える時に、踏ん張ることを意識して鍛えてしまうとブレーキばかりが強くなる。押す動きに強い筋肉ばかり、鍛えやすい前面の筋肉だけでなく、アクセルになる裏側の筋肉もバランスよく鍛えられるように、意識の持って生き方、メニューの組み立て方を工夫したい。

上半身だって、背面の筋肉が基本的にはアクセル。肩甲骨周りの筋肉やら、いわゆるニノ腕、上腕三頭筋の方がパワーを生み出す源になる。つい、ダンベルで持ち上げる方に意識がいってしまうものの、反対側の動きも意識的に行って、鍛えにくい背面側の筋肉、引っぱる動きが得意な筋肉群も鍛えるようにしていきたい。

体幹とインナーを鍛えてから、有酸素運動をやればいい

筋肉の成長を考えると、無酸素運動だけでは不十分なのだろうけど、太りたいのなら、あんまり有酸素運動はやりすぎない方がいい。でも、痩せたいのであれば、体幹やインナーマッスルを十分に鍛えておきながら、有酸素運動なり、スポーツなりに取り組んだ方が消費カロリーは格段に上がるはず。

バランスを崩しても立っていられる状態も作れるし、ヨガ的なプログラムでそういう動きを取り入れるよりも、競技の最中で自然にやった方が効果的な人もいるだろうし。トレイルランニングみたいな形で実地でやると、バリエーションも豊かになる。

そして、そもそもの基礎代謝も十分に上がっているから、生活の中で消費されるカロリーと合わせて消費量はコツコツあげていける。無理なく、そして健康的に痩せられる。老いてからのロコモティブ症候群予防にもつなげやすいし、体幹トレーニングなどのしなやかな筋肉、レジリエンス力の高い身体を備えておくのは、悪い話じゃないはず。

「とにかくやる」より「賢くやる」

時には考えずにやることも必要だろうけど、やっぱりざっくりとした下調べぐらいはやった方が効果が出やすい。同じように費用や時間をかけるなら、少しでも効率よく、無理なく積み上げていける工夫を施しておいた方がいい。ただの「痩せる」にしろ、「運動」するにしろ、少しは知識を取り入れて、工夫を入れて繰り返した方が複利効果が大きくなる。

食事にしても、ただただ「糖質」を気にするのではなく、食物繊維の多い難消化性の糖質を取り入れてみたり。硬いナッツや少量でも満足度の高いものを食べたり、胃に溜まるようにたんぱく質を含んでいるものも選んでみたり。細胞に飢餓感を与えすぎないのも大事だろうし。「チートデー」なんかの仕組みも、事前に調べて知っておくだけで「どか食い」や「リバウンド」の危機を回避できるだろうし。

やたら滅多にやって行動を消費するのではなく、長期リターンを見越した投資に変えていく。そういう取り組みの方が、個人的には好みかなぁ……。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.09.08

2017.09.08

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