マーケティングを取り巻く環境の変化について

2018.05.22

前回までで、マーケティングに関する概要、あるいは仮面ライター流の捉え方をお伝えしたつもりですが、「今の環境」もお伝えしておかないと、次回からの「コンテンツマーケティング」が腑に落ちないかと思うので、改めてまとめていきます。

この記事は 約 9 分で読めます。

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これまでの講座をご覧にならなくても、「良い商品を作るだけでは売れない」のは十分お判りかと思います。何度も何度もマーケティングと言わなくても、「なんとなく重要なんだろうな」とか「足りていないんだろうな」ということも認識されているかと思いますが、なぜことさらに「今、マーケティングなのか」はイマイチピンと来ていないのかなぁとも思うのですが、いかがでしょうか。

今までも、十分とは言わないまでもそれなりにやってこれたのに、今更マーケティング、それもコンテンツマーケティングというよく分からないものに取り組まなきゃいけない理由、挙げられますか?

すぐに答えが出る方は中々いらっしゃらないかと思うので、仮面ライター流の説をお伝えしていければと思います。ちなみに、本講座へ入る前に、これまでの講座も合わせてお読みいただくと、マーケティングとは何か、なぜ今マーケティングに力を入れなきゃいけないのかが、多少なりとも腑に落ちやすいかと思いますので、ぜひご一読いただければ幸いです。

それでは、本編へ入っていきましょう。

今、マーケティングに取り組まなきゃいけない理由、注力しなきゃいけない理由はいくつかあると思いますが、端的に申し上げれば環境の変化が上げられるかと思います。具体的にどんな変化が影響しているのかを幾つかピックアップしてみましょう。

変化その1. うん十年続くデフレ

単純に、財布の紐がすごく硬い。ネガティブマインドも影響大

バブル崩壊後、いつをきっかけに、何をきっかけにしてデフレに入ったかは難しいところですが、安倍政権が取り組んでいるアベノミクスの影響でインフレ局面に入ったかといえば、まだしばらくは判断据え置きというところでしょう。消費増税の影響もあって、中々モノを買おうという雰囲気にはなりにくいですね。

また、丈夫で長持ちするいい商品を作って来た影響もあって、「絶対に買わなきゃいけない」というレベルの「欲しいもの」もあんまり多くはないのかなぁとも思います。何より、モノをあまり持ってない、もしくは新しいものが欲しい世代にあまりお金がない。消費したくても生活を回すのが精一杯、お金を持っている層はあまりモノを買わない、というのが現状認識でしょうか。

経済成長の見通しもあまり明るくないので、成長性を加味してリスクを取るよりは、コストダウンの買い替えが中心になりがちで、なかなか良いもの、高いものを買おうという雰囲気にもなりにくいでしょうね。プラスの設備投資なども、まだ動きは鈍いかと思います。
この、「デフレ」や「ネガティブマインド」、「リスクを嫌う」、「コストダウン」が今の大きなキーワードでしょうか。

変化その2.買うまでのステップが長くなった

インターネットやSNSの登場で、「調べる」を乗り切るまでが大変に

デフレ局面でインターネットやSNSが普及したことも影響していると思いますが、安価で消耗品の生活必需品以外の購入に関して、「調べる」という工程が必ず入るようになったと思います。財布の紐を更に硬くする要因にもなっていると思いますが、場合によっては生活必需品ですら、「値段の比較」が絡むようになり、それまでは足で調べる必要のあった「出来るだけ安い方がいい」という行動も、指先一つで出来るようになってしまいました。

「店先の雰囲気」や「店員の態度」といったことや、「誰かのレビュー」までクリアしないと購買に繋がらないこともあり、「いいものを安く」ですら簡単には売れない世の中になっているのではと思います。

変化その3.情報の洪水で、発信しても届かない

おまけに、情報への感度と忘却速度が上がってしまった

SNSやブログなどのマイクロメディアや、Youtube(r)のような動画メディア、動画職人の登場もあり、インターネット上には「世界中の砂つぶより多い量の情報」が溢れている状態です。また、日本国内に限ると人口の半分ぐらいは「月に1回もインターネットで検索をしない」のだそうです。(『明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法 』 佐藤尚之著 講談社現代新書より)

技術の発達で「自分にあったオススメ情報」を提示する機能も色んなところについてますし、広告費をかけられるところが優位な位置を陣取って、「見て欲しい情報」をプッシュして来ます。ましてや、スマートフォンでSNSを眺めていて、発信するためや検索するために使う時間がどれほどあるでしょう? 発信や検索の時間より、情報をただただ受け取っている時間の方が長くはないでしょうか?

膨大な情報を浴びることで、そこに埋め込まれた「狙い」や「戦略」みたいなものを感知する人たちも出てくるようになり、ますます伝えたい情報は伝わりにくく、そもそも調べようと思ってもらいにくい状態に陥っています。

仮に伝わったとしても、「本当に正しいのか」を調べる習慣が身についている人も増えているので、企業側やプロモーションを仕掛ける側からの情報だけでは、購買には至りにくくなっています。ここで有効になるのは、消費者のレビューや身近な人の口コミですが、口コミをしてもらうハードルって、決して低くないですよね?

ここまででも難しいんですが、まだ難しい理由が続きます。

変化その4.メディア、レビューの信用低下

芸能人やSNS著名人の言葉はあまり信用しない?

特にグルメ系サイトでの「やらせ」が発覚したり、Amazonのレビューにいわゆる「工作員」らしき影を見かけたり。そもそも、テレビや新聞といったオールドメディアが明らかなフェイクニュースを垂れ流すようになったり、芸能人は芸能人で「なんとかオークション」とか「なんとか水」の販売に加担するなど、レビューやレビューサイト自体も疑ってかかる状況が生まれています。

SNSのアカウント乗っ取りや、偽アカウント問題、そもそもの「さくら」などもあって、「書いてあること」や広告そのものをそのまま信用してもらうのも、難しい状態に陥っています。

変化その5.実名レビューや口コミに繋がる体験が要る

圧倒的な商品力や、感動を呼ぶ使用感、体験価値が求められている。

口コミや信用に足るレビューがそれほど重要でなかった時代であれば、買ってもらえれば十分だったのですが、今はそこから「使ってみてどうだったか」とか、「その体験談を広げやすい環境を用意しているか」や「レビューが信用に足るものか」までをクリアしないと、十分とは言い難い状況になっています。

口コミやレビューをしてもらうレベルの商品やサービス、あるいはそもそも数ある競合の中、他の選択肢の中から選んでもらうレベルの商品力を備えておかないと、勝負の土俵にすら乗りにくいと言えます。

そんな商品やサービスを、それまでのやり方で十分だった「良い商品の作り方」で送り出せるでしょうか? 競合他社に競り勝つだけの看板力、他の選択肢に負けない期待感を十分に持たせられるでしょうか? 自社完結なら、相当練りこんだコンセプチュアルな商品やサービス開発を、自社完結でないなら他社と共創するなり協働するなりして垣根を超えた取り組みを、マーケティングなしにやり遂げられるでしょうか? 正直に申し上げると、それはさすがに難しいんじゃないでしょうか。

「働き方改革」と「少子化」もサブ要因

生産性を上げるか、子供を増やすか、海外進出か。

いずれも、根回しや調整力抜きにはなし得ないでしょう。海外進出であれば、場合によっては上記以上にメッセージ性やコンセプチュアルなものを生み出さないと通用しない可能性もあります。利益性据え置きのまま、時間やコストをかけて「今のまま頑張る」は限界に近いとも言えるんじゃないでしょうか。

状況打破には、マーケティングが一番お手軽

相手のことをリサーチし、反応を確かめれば、マーケティングなしより難易度はググッと下がる。

市場にも向き合い、自分の見せ方や伝え方にも向き合い、買ってもらいやすい商品やサービスを送り出せば、効率は上がるでしょう。反応を探ったり、買い手の情報を蓄積するのに最も手軽で安価なのは、今のところITやWebと言えるんじゃないでしょうか。

長大な商品開発や、レビューを誘発するまでの長い販売戦略も、マーケティングという調整力や、言語化する、資料化するというマーケティングのテクニックを用いれば、最後まで成し遂げる可能性が高くなるでしょう。また、正確な予測が難しい状態でも、ツールを駆使してWebやSNSから反応を見ていけば、対処方法はいくらでも考えられます。

相手を知り、市場の状態を見て、自分の状態を見直す。それをやるには、ITを使ってマーケティングに取り組むのが一番いいんじゃないでしょうか。

売り込み色を極力排するなら、コンテンツマーケティング

「売りたい気持ち」は一旦置いて、買い手や市場との関係を良くしていく

「買って欲しい」気持ちを盛り込みすぎると忌避されますし、ヤマ気を隠しきれずに距離を詰めても感知される可能性がありますが、そういったことをとことん取り除きながら、周囲との関係を(安価に)良くする手法の一つが次回から本格的にお伝えしていく「コンテンツマーケティング」です。

リソースの少ない小さな企業でも、一風変わった特徴を持った商品でも、無理なく買い手に知ってもらって、市場に一定のポジションを確保して生き抜いていくには、有効な手段と言えるんじゃないかと考えています。

誰にでも出来るコンテンツマーケティングを

これまでお伝えしているマーケティングもですが、今後お伝えしていくコンテンツマーケティングでも、特別な才能や大きな費用なく出来る考えや手法をお伝えしていきます。ほんの少し気配りをするだけ、ほんの少し時間を割いてみるだけで少しずつ効果が上がっていくスタイルを、一人でも多くの方にお伝えできればいいなと考えています。

誰にでも出来る考え方と、極力簡単なフレームワークをお伝えしますが、誰にでも出来る分、十分に効果の上がる技を習得するには不断の努力が欠かせないので、しっかり学んでいただければ幸いです。

コンテンツマーケティング基礎、「マーケティングとは」はひとまずここまで。次回からは、いよいよ「コンテンツマーケティングとは」です。お楽しみに。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.05.22

2018.05.23

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