ペルソナの作り方や生かし方

2018.06.01

ここからは、効果の高いコンテンツを作るために重要な読む力を重点的に見ていきましょう。「書く」を有効に活用するには、その前の準備でしっかり読み手のことを読んでいることが重要になってきます。キーポイントとなる「ペルソナ」についてお伝えしていきます。

この記事は 約 10 分で読めます。

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前回までの講座で、コンテンツマーケティングの基礎や伝えるためのベーシックな部分はお伝えしてきたので、ここからは一歩進んで、「読む」に比重を置いてみましょう。中心となる「ペルソナ」について、ここで概説をお伝えします。本講座も、コレまでの記事をご覧いただいた方が理解しやすいかと思うので、そちらも是非ご覧ください。

そもそも、ペルソナとは何なのか

ペルソナ = Persona。ラテン語で仮面を指す用語。外向け、社会的に用いる人格(=Person)を指すようになる。ここでは、架空の人物、あるいは実在の人物の共通項として扱います。マーケティング的には、ほぼ「ターゲット」と同じように扱える概念と思っておいていいでしょう。ターゲットよりはやや細かく、より実在の人物像に近いものになります。

なぜ、ペルソナを使うのか

従来のターゲットやターゲティングで良いじゃないかとお思いでしょうが、ターゲットでは徐々に時代にそぐわなくなってきていることもあり、ペルソナという概念に切り替えています。

まず、重要なポイントとしては、「ターゲット」ではどうしても「狙い定めるための的」や「撃ち落とすため、攻めるための対象」という印象が出てしまいます。「買ってもらえればおしまい」で良かった時代であればそれでも良かったのですが、今は「買ってもらった後」や「買ってもらうまでのいい関係作り」が重要になってきています。ある瞬間だけ攻略すれば良かった的でもなく、攻め落とせさえすればなんでも良かった存在でもなくなって来ているので、「的」の印象が強いターゲットから、「人格」や「ヒト」をイメージしやすいペルソナの移り変わって来ているのではないでしょうか。

また、「ターゲット」だとどうしても発信者側、売り手側に都合のいい的を想定しがちです。売買するためだけの機能しか見ておらず、実際にそんな都合のいい的や対象が存在しているかどうかは分かりません。そんな状態で成り立っている時代はそれで事足りたのですが、今はそれでは難しいでしょう。ブランドネームや商品名、企業名で勝負ができる大手企業や、広告や営業費用、研究開発費の回収度合いが低くてもなんとかなる企業なら、今でもできる取り組みでしょうが、チキンレースにしかなりません。小さな企業、弱い企業は早々に降りてもっと賢い手法をとるべきでしょう。

そこで出てくるのが、「ターゲット」ではなく「ペルソナ」ということになります。ペルソナのポイントは、買ってくれる相手を「消費する機械」として切り取るのではなく、「実際に生活していそうな人間」として考えること。買い手が「こうあって欲しい」と思う幻想も取っ払って、完全に「一般に生活している人目線」で物事を捉えなおすために用います。

もう一つのポイントは、「自分たちに都合のいい道具」や「机上の理論」として取り扱うのではなく、「実際に存在する人」として向き合うところでしょうか。良き隣人として、お互いにいい関係を築いていく、いい関係を築いた中で売買のやりとりが生じる。買ってもらった後もいい関係を作り上げるように気配りして、良い印象、いい評判を広げてもらう。そういうスタンスでのお付き合い、関わり合い方をしていく方が、遥かに賢明でしょう。

ペルソナを考え抜いて、お近付きになるキッカケを探り、適切なコミュニケーションを積み重ねて攻略していく。あくまでも真摯かつ誠実に、お互いのため、社会のために良い関係を作っていく。それを考える起点、攻略する対象を明らかにするのが、このペルソナを活用する意義になります。

様々なペルソナ

ペルソナは、メインで考えるもの以外にも、様々な種類や段階があります。例えば、サービスや商品との関係性、距離感で「今すぐ客」「お悩み客」「そのうち客」「まだまだ客」。自社の提供する商品やサービスを好んでくれるメインのペルソナ、メインに繋がったり、メインを連れて来てくれるサブ、丸っきり対象にならない対象外のペルソナなどがあります。

対象にならないペルソナは無駄に思えますが、明らかに対象にならないペルソナ、自社の商品やサービスに繋がらない接点を明確にすることで、「それ以外」のペルソナや接点が見つけやすくなる効能もあります。余裕があれば、ぜひ対象外のペルソナも考えてみてください。

また、サブペルソナも重要で、メインペルソナと接点を持ちにくい場合や、メインペルソナに訴えかけても難しい商材の場合は、サブペルソナを起点に考えたり、サブペルソナも動員する流れを考えることで、求めていた結果に導くことができます。代表的な例は、メインが決済権を持つ親、サブがその子供と言った組み合わせであったり、メインが男性、サブがお連れの女性という組み合わせになることもあるでしょう。企業の場合は、もっと複雑な組み合わせになることもありますが、どんな場合であっても、決済権を持つメインに対して、多少なりとも影響力を持つサブペルソナであることが重要です。サブペルソナも、余力があれば考えていただけると、戦略の幅や戦術の選択肢が広がるかと思います。

ただ、主に考えるのはメインのペルソナでしょう。メインのペルソナの中でも、購買意欲が強い順に「今すぐ」「お悩み」「そのうち」「まだまだ」の4段階があり、それぞれの段階で求めているや優先するものが変わるので、同じペルソナであっても、「どの段階のペルソナか」は常に考えるようにしたほうがいいでしょう。

まずは、メインペルソナを考えてみましょう。

ペルソナの作り方

「今すぐ客」や既存の顧客を起点に材料を出しましょう

何もないところからペルソナを考えても、現実味に欠けるペルソナになりがちです。ターゲットを考える時より必要になる情報が多く、間違った情報や根拠の薄い情報を積み重ねてしまうと、そのまま使用するには危険なペルソナが出来上がってしまいます。「使えるペルソナ」を作り上げるのであれば、今の時点で想定される「今すぐ客」か、これまでご利用いただいている実際の顧客を元に、様々な材料をピックアップする方が無難じゃないでしょうか。

年収は大体どれぐらいで、どんな仕事についているのか。どんなところに住んでいて、職場までは何で行き来しているのか。一緒に住んでいる人は誰がいて、年齢や性別はそれぞれどうなのか。社会人になるまでどう過ごして来て、趣味や優先順位、平日の生活や休日の生活サイクルは一体どんなものなのか。お客様を構成する要素、物理的な部分や目に見えやすい部分、心理的な部分まで、「こうじゃないか」と思う要素をたくさん書き出して、それぞれ分類してみましょう。

もし、ご自身がその商品やその企業の大ファンなのであれば、自分のことをそのまま材料にしても構いません。というよりは、そちらの方がより良い作り方でしょう。肌感覚で、その材料や、その材料で組み上げられた人物像がしっくり来るかどうか。本当にいそうな人物になっているかどうかが判定しやすくなります。

材料の断片を書き出したら、その人物の履歴書を作るような感覚で、名前や誕生日、想定する住所や学歴、職歴、趣味などを一枚のシートにまとめてみてください。何をまとめるかは人によって様々でしょうから、「この項目を考えましょう」とか、「このワークシートに沿って埋めてください」とはあえて示しません。ご自身で色々探されるなりして、しっくりするものを見出されるのがベターでしょう。

ペルソナを作る時のポイント

都合のいい断片を切り取らない、埋め込まない

あくまでも、「実際に生活していそうな人」を丸ごと考える、組み立てるようにしてください。普段の生活や日常があり、一緒に過ごす家族や大事にしている趣味があり、その中で自社の提供するサービスや商品に接点を持ってくれている、利用してくれている瞬間が存在している。そういう状態、そういう状況を全員が無理なく想像できるぐらい、「無理のない人物像か」を作った後、あるいは作り上げる最中にしっかり検討してあげてください。

また、仕事モードの時や、自社の商品と都合よく接点を持つタイミングだけを考えて、ペルソナを組み立てるのも避けてください。普段の生活があり、仕事以外の生活もあり、自社のことを考えていない時間もたっぷりあるということも、しっかり織り込んでください。仮に独身のペルソナを想定したとしても、その人には実家もあるでしょうし、職場や学校といったコミュニティもあるでしょうし、生活している周囲の人間もいるでしょう。そういった人たちの関係も無視してペルソナを作ってみても、現実感には乏しくなります。リアルな人間として組み立てるようにしてください。

そのペルソナについて、何かしらの項目を決定したのであれば、その項目についてきちんと調べることも重要です。例えば、年齢を決めたのであれば、どんな時にどんなものが流行っていたのかも、ある程度調べることが可能です。年収を決めたのであれば、可処分所得や住んでいそうな地域、年齢と合わせて家族構成を調べることもできるでしょう。どんな業界に属していて、職種はどんなものかを決めたのであれば、どんな趣味嗜好の人が多くて、実際の年収はどれぐらいで、生活のサイクルはどんなものなのかも調べられるでしょう。

インターネットで検索するだけで調べることが難しければ、自分の身に置き換えて考えてみたり、自分がその立場になったらどう感じるか、考えてみるのも有効でしょう。同級生の生活を想像してみるのも一つの手段ですし、実際にモニタリングやアンケート調査を実施して、精緻なデータを集めるという手もあります。

いずれにせよ、まるっきり根拠のないペルソナや現実感のないペルソナを組み立てるのは、避けましょう。リアルに想像できるか、実際にいそうな人物か、その人物は24時間生活している人間だと思えるかどうかが重要です。作ってからも検証が必要なペルソナですが、作る段階でもしっかり「本当にそれでいいのか」をチェックしてみてください。

ペルソナがあるとこんな時に使える

ペルソナを買い手の代表として、マーケティングの様々なポイントをチェックすることができます。ペルソナの目で、商品やサービス、あるいはその打ち出し方を検討してみたり、情報発信の仕方をチェックしてみたり。自社の商品やサービスと、ペルソナとの距離感、ペルソナの各段階との接点を確認することにも使えるでしょう。

ペルソナに対してアプローチを考えられるようになりますし、逆にそのペルソナがきちんと顧客像を反映しているかどうかも検証できるようになります。これまでは徒手空拳、目標を絞りにくかった活動が明確になる効果は絶大です。

その詳細な使い方、コンテンツマーケティングでの活用方法は次回以降で解説していきますので、今回は一旦、ここまで。次回をお楽しみに。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.06.01

2018.06.01

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