伝わる文章の作り方

2018.06.02

いよいよ本講座の目玉の部分、「書く」部門に入っていきます。まずは基本となる形をお伝えしていきましょう。すでに触れた「枕話 + 起承転結」について解説します。

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「仮面ライター」のコンテンツマーケティング基礎として講座を進めてきましたが、いよいよ「書く」部分をお伝えしていきましょう。ここまでの流れ、書くことを活かすための周辺テクニック、伝えるための基本的な考え方などもお伝えしてきましたが、改めて「書く」ことに焦点を絞って解説していきます。この講座も、これまでの講座をお読みいただいている前提で進めていきますので、ぜひ過去の記事もお読みいただいてから、本題へお進みください。

■ コレまでの講座

なお、以下は「書く」ことにフォーカスしていますが、これまでの「読む」や「事前準備」、その他のコンテンツに対する姿勢などは踏まえた上でのお話だということを、よくよくご理解いただいた上でご覧ください。

まず、伝えたいことは一つに絞る

具体的なテクニックへ入る前に、もっとも簡単にできることからお伝えしましょう。それは、「伝えたいことを1つに絞る」です。以前、別のコンテンツでも伝えたかと思いますが、「伝わる文章」を書きたいのであれば、これは必ず守るようにしてください。あれもこれも入れたい気持ち、伝えたい気持ちも分かりますが、一つの文章、一つのコンテンツでは伝えたいこと、主要なメッセージは絶対に一つに絞り込むこと。他に入れたいものがあったとしても、主役と脇役とで明確に役割を分けることから始めましょう。

伝えたいことを一つに絞ったなら、それを生かす形、仮面ライター流の原理原則を抑えましょう。

予習復習、予告と本番のカタチを守る

伝えたいメッセージ、主役が決まったら、必ず2回以上読み手に示すようにしてください。最初に示すことで、受け入れる準備を整えてもらい、またどんな話が来るかを予想や予見してもらいながら、いざという時には伝える時に生じる衝撃に対して、受け身を取れるように備えてもらう。これが最も基本的な形です。

ここから色んな形に発展して行きますが、この先のテクニックを身につけたとしても、この形と「伝えたいことを一つに絞る」ことが徹底できていないと十分な効果を発揮できません。次に示す形も基本中の基本ですが、その土台となる部分、基礎の基礎であるこれまでの二つの要素も、しっかり身に付けること、無意識的にでも出来るように練習しておくことをオススメします。

仮面ライター流のベースは、「神話の法則」+ 「起承転結」

円環構造とステップアップの形を組み合わせる

小見出しのいずれも一度別の記事で登場したかと思いますが、神話の法則に関する詳細はこの記事でもあまり触れません。詳細は、ご自身で調べていただくか、大塚英志氏の『ストーリー・メーカー』辺りをお読みいただくと理解が早いかと思います。数ある神話の中でも、いわゆる「行きて帰りし」型、日常の世界から冒険に出て、財宝を手に入れて戻って来る形の物語、そのベースとなっている円環構造、曲線構造をベースの一つとします。これを使って、「予習復習」もしくは「予告と本番」の形、「2回以上示す」を実践します。

神話の法則も取り入れながらも、形としてより影響が強いのは、「起承転結」。転の部分、「ひっくり返す」部分を伝えたい部分の頂点、クライマックスとしたステップアップの直線構造を使います。これの一番分かりやすい形はやはり4コマ漫画でしょう。「起」で話が始まり、「承」でその話を広げ、「転」で別の展開、ひねりを加え、「結」でオチをつける、終わらせる。これをベースに、「伝わる文章」を形成して行きます。

ただし、「起承転結」の通りにしてしまうと、文章の部分、中身の部分だけが前に出過ぎてしまうことと、読み手がどんな状態で文章に触れるかが分からないので、読み手の意識や空気感を揃えるための踊り場、前説やアイスブレイク、前座に当たる「枕話」を冒頭に差し込みます。コミュニケーションとしての挨拶であったり、時候や時節柄、天候などの話題であったり、これから話をする「伝えたいこと」を予感させる話を盛り込んだり。映画で言えば、「天地人」。つまり、天 = 「いつ」の時代(背景)なのか、地 = 「どこ」の話なのか、人 = 主人公は「誰」なのかを解説する部分。もしくは、主要なクリエイターを伝えながら冒頭のタイトルを示すまでのアバンタイトルなど、でしょうか。

急に本題に入ってしまっても気持ちが揃っていないので、いい文章を書いても受け取る人によっては効果が半減してしまいます。それを防ぐためにも、枕話、前書きも本題とは別に盛り込んでおいた方がいいでしょう。ただ、あまりにも長々と前口上を垂れるのはよろしくないので、短く切れよく、頃合いを見計らって本編に入るようにした方がいいでしょう。

「二回以上示す形 + 枕話 + 起承転結」を作る

どこで一回目に示すのかで形がそれなりに変わってきますが、強く印象に残すのは「転」の部分で盛り込みます。復習や本番を「転」でやるのなら、対になる「予習」や「予告」は「起」でやるか「枕話」で少しやるぐらいが無難でしょう。テクニックに自信があるのなら、「枕話」で予告の予告、「起」で予告、「転」で本番の形を取ってもいいでしょう。上手に作られた物語やコンテンツだと、概ねその形で作られているのではないでしょうか。文章の種類によっては、これを「タイトル」や「目次」、「前書き」に振り分けて達成することもありそうですね。

「転」を「伝えたいこと」のピークに据え、「結」は急場で示した「伝えたいこと」を改めて提示しながら、日常生活に戻っていくように促すこと、お土産のように持ち帰りやすい形、まとめとして「伝えたいこと」を手渡すことが大事な役割です。「起」は相手が持っている一般論から始めて、「転」を目指すまでの道に案内すること。「承」は、「起」と「転」の間を繋いで、少しずつ一般論から遠ざかりながら、「転」へ到達できるように導くことが大事な役割です。「転」までに、「一般論とは少し違う独自の考え」を3つ〜4つほど読み手に飲み込んでもらえるように示しておくと、後の展開がスムーズでしょう。

予告の予告、予告で伝えたいことを仄めかし、クライマックスへ向けて伝えたいこととは対になる一般論から展開し、少しずつ独自の考えを織り交ぜながら、一番強い部分で衝撃を加える。その衝撃が和らぐまできちんと見届けて、まとめのお土産を手渡して一般論の世界へ戻してあげる。これが、「伝わる文章の作り方」の基本形になります。

逆ピラミッド型の方がいいんじゃないか?

2回以上示すことが重要なのは、変わらない

物語の形ではなく、新聞やニューストピックのような、見出しの部分に大事な部分を示して、少しずつ詳細な内容を伝えていく書き方もあるんじゃないか、と思う方もいらっしゃるでしょうが、その場合でも形はそれほど変わりません。伝えたいことは一つに絞り、飲み込んでもらいたいことは、冒頭と終わりで2回以上示す。まとめの形で覚えやすいように提示し直す。この形はプレゼンテーションであれ、エレベーターピッチであれ、基本的には変わらないでしょう。

言葉の選び方、見せ方や区切り方が多少変化するだけ。どこを強くして、どこを弱くするかの配分が変わるだけなので、逆ピラミッド型、早く結論を伝えた方がいいという場合であれば、タイトルの部分や導入部分のところで強めに出しながら、最後に補足する形でもう一度示して、まとめるような形にすれば、仮面ライター流の基本形もそのまま活用できるはずです。

観念的な話で分かりにくいという方へ

実際に使うためのフレームワークは、次で示します。

書く前に使うフレームワーク、誰にでも使える(はず)の作り方について、次の記事で示しますので、ぜひそちらもご覧いただければと思います。これもある意味、次のコンテンツのための予告みたいなものでしょうか。いきなり飲み込んでもらうには若干ハードルが高いかと思うので、少しずつ小分けにして、何度も何度も繰り返しお伝えする形を取っています。

一通り読んでいただければ身につくようにしているつもりではありますので、伝わる文章を作ってみたい方は、ぜひこのまま次のコンテンツへお進みください。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.06.02

2018.06.02

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