各コンテンツの連携とペルソナの関係について

2018.06.02

コンテンツマーケティング基礎の総ざらい編、第二弾。コンテンツの使い分けと、ペルソナとの関係性、関連性についても繰り返しになるかもしれないですが、抑えておきましょう。連携させる理由などもお伝えできればと思います。

この記事は 約 9 分で読めます。

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なぜ、各コンテンツは一つのことだけを伝えればいいのか、なぜ各コンテンツのパワーはそれほど強くなくてもいいのか。その辺りの理由を、ここで整理しておきましょう。分ける理由、一回のコンテンツに力を入れすぎない理由なんかも、この記事で伝われば幸いです。なお、本件もこれまでの講座の上に成り立っているので、過去の記事も踏まえておいていただけるとありがたいです。

■ コレまでの講座

一つのコンテンツで対応しない理由

ペルソナにも、ペルソナの状態にも幅がある

一所懸命ペルソナを想定して、そのペルソナが選択するシナリオ、カスタマージャーニーを絞り込んだとしても、実際の対象者にはそれぞれの事情や背景があるため、細かく絞りすぎて対応するコンテンツを見出すのは柔軟性に欠けるでしょう。また、同じペルソナ、同一の対象者であっても、コンテンツによって購買意欲や状態が変化することがあり、その状態に対してもきっちり追従していくコンテンツを作る、そのコンテンツで運用や維持管理をするというのも、現実味には乏しいでしょう。

顧客を目の前にして対応する営業やセールスとは異なり、コンテンツは一度作ってしまうと、相手の様子を見ながら柔軟に中身を変えるという動きには対応しにくいでしょう。リアルタイム性の強いイベントの現場や、ライブイベント、インタラクティブ性の強いコンテンツであれば対応に多少の幅を持たせることはできるでしょうが、あまり自由にさせすぎると、今度はそのコンテンツに持たせたい情報力、伝えたいことは薄まる可能性があります。

また、コンテンツに辿り着くまでもペルソナによってまちまちですし、コンテンツを受け取っている環境、コンテンツを解釈する能力も受け手によって様々です。全てにキッチリ対応するよう、プログラムを組んでみたり、いわゆる人工知能や人工無脳的なものを組み込んでも良いですが、運用コストはそれなりに高くついてしまいます。

つまり、コストを抑えながら、一定の効果を出していくマーケティングをするためには、一つのキラーコンテンツで全対応するような手法は、あまり現実的ではないということです。社会情勢やトレンドが切り替われば、せっかくの投資も水泡に帰する可能性が高いでしょう。良いコンテンツを無理なく生産し、コンテンツを用いて中長期的なマーケティングを実施し、その上で無理のない利益を上げていく、営業活動をサポートするような体制を構築していこうと思うと、一つのコンテンツに全てを託すよりは、少しずつ内容の違うコンテンツでそれぞれの状況に対してキッチリ対応するような形を取った方が外れにくく、上手くいく可能性や長く使える可能性が高くなるということです。

膨大な「特定の状態」に、キッチリ応えられる方が賢明

万能なコンテンツを1つ用意するより、専用のコンテンツを沢山用意しておく方がいい

「全ての状況に対して全対応」というのも、予算やリソースを考えると現実的ではないですが、バラツキのある実際の顧客や、ペルソナの状態ごとに対してある程度対応できるような、若干絞り込んだ状態の中での物量作戦はそれほど難しくないでしょう。この時、一つ一つのコンテンツが、着実に「その状態」に対して十分な効果を発揮する力を持っていることが望ましいでしょう。

つまり、着実に1メッセージを伝えてくれるコンテンツで、それを求めてきた状態のペルソナや、個別の顧客に対して、きっちりと情報を提供できる状態がベストだということです。そのコンテンツさえあれば、「着実に伝えてくれる」状況を用意しておけば、あとは必要な数だけコンテンツを増やしていけば事足りるでしょう。実際に伝わっているかどうかは、アクセス解析や各種アンケート調査などを組み合わせれば、データによる検証が可能なはずです。

それぞれの状態、それぞれの背景がある一人一人の顧客、あるいは代表的なペルソナに対して、キッチリ仕事ができるだけのコンテンツがあれば、より大きな戦術や、全体の戦略を組み立てることも可能になります。小さな局面を着実なものにするため、その局面の組み合わせでより柔軟かつ、安心な運用状況を構築するためにも、各コンテンツは「1つのメッセージを着実に伝えるため」だけに用いられるのがいいのではないでしょうか。

そのためにも、しっかり一つのコンテンツを作り込んでいく。伝えたいことを一つに絞り、伝わりやすい形でコンテンツを構築することが肝心、ということです。

コンテンツ同士は弱い連携をさせる

シナリオの幅にも、状態の変化にも柔軟に対応したい

コンテンツ同士を連携させるとしても、明確に「これとこれとは関係している」と強く結びつけるような連携は、あまり取らない方が無難じゃないでしょうか。何故ならば、着実にそのコンテンツに、発信する側が想定しているような動きで触れてくれるとは限らないから、です。特に、前後の状態やコンテンツに触れる状況が絞り込めないWeb上のコンテンツであればなおさら、そのコンテンツへ辿り着く前に、どんな道のりを経て来たかなんて、後から検証することはできても、事前に絞り込むのは至難の技でしょう。

ペルソナの動きがある程度の範囲以下で絞り込むことができないのなら、準備する側も「どんな順番に、どのコンテンツに触れていってもいい状態」を作っておくのが無難じゃないでしょうか。だから、続き物の記事を作る場合であっても、「どんな順番で見ても自由」という部分と、「できれば順番に見てもらった方がいい」という部分の両方を入れ込んで作る方が良いように思います。

たまたまそのコンテンツに辿り着いた人も、いくつかのコンテンツを見ていくうちに、勝手に何かを掴み取ってくれることもありますし、こちらが想定していなかった興味の持ち方をすることもあるかと思います。その自由は受け手に確保されるべき自由だとも思うので、各コンテンツの間は、弱〜く連携している、なんとなくリンクが混じっている、ぐらいの方が良いんじゃないでしょうか。個々のコンテンツはそれなりに独立させつつ、オススメ記事や関連のコンテンツ、次に見ると良さそうなものを提示するけど、どれを選ぶかの自由は常にユーザー側に委ねてしまう。そんな作り方が良いような気がします。

だから、一つのコンテンツで印象を作らない

文脈、コンテキストや、「ブランド」を意識する

ペルソナの持つ幅や状態の変化に対応しつつ、個別のコンテンツを弱く連携させた状態で、訪問した人に何らかの印象を持ってもらおうとするのなら、一つだけのコンテンツで明確な印象を与えるよりは、コンテンツとコンテンツの間に「漂っている気がする」文脈の印象を持ってもらえるように工夫する方がいいでしょう。

明確に書いていないのに読み取られるコンテキスト、あるいはもっとぼんやりとした雰囲気や空気感のようなものを、自分たちの「ブランド」や「カラー」だと思ってもらえるように。明文化していないものを、印象として持って帰ってもらうには、全体的なクオリティを底上げし、表面的に引っかかる部分をとにかく減らしていくのが近道でしょう。目立つところだけでなく、目立ちにくい部分、見えない部分にこそ気配りや技が行き届いているようにする。それを「分かってくれ」と出さないからこそ、品が出て、埋め込まれているコンテキストやブランドポリシーが伝わるというものでしょう。

コンテンツをしっかり分割し、各コンテンツ間を弱く連携させることで、ペルソナに対してコンテキストやブランド、ブランドポリシーを伝えていく、持って帰ってもらう。それをさらに、顧客同士のコミュニティの中で「らしさ」として共有されるレベルを目指してみる。それをするには、一つのコンテンツはきちんとメッセージを絞り込むということと、どれだけ正確にペルソナを見極めて、どんなシナリオ、どんなカスタマージャーニーで自社の商品やサービス、コンテンツに触れるかを見極めることが必要になってきます。

コンテンツを作るのにも、それなりの労力やコストがかかりますから、それをぐっと絞り込んでも効果が出るものを作り出すには、どのペルソナ、どの状態に対して、どのコンテンツが有効なのかをしっかり仮説検証を繰り返すことも大事でしょう。非常に面倒くさい取り組みですが、腰を据えてコツコツと取り組んでもらえればと思います。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.06.02

2018.06.02

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