「特定のキーワードで検索一位」を一丁目一番地にしない方がいい

2018.11.20

検索での上位表示が無意味だとは言わないけれども、検索してほしい側が掲げる特定のキーワードで一位なり、一ページ目なりを最優先課題にするのは、果たして意味があるのかと思ってしまうので、その辺りをツラツラと書いてみる。

この記事は 約 5 分で読めます。

どうせHPを作るなら、上位表示にコミットしているところ、あるいは実績を有しているところがいい? それも判断材料の一つではありますが、そこだけをプッシュし続ける業者を選んでしまうと、望んだ成果が得られないかもねと思ってしまったので、また「見かけがちなフレーズに対して噛み付く」系の記事を、オチも考えずに書いてみる。

なお、かなり私見が含まれているということと、SEO一位や上位表示、それらをめざす取り組み自体が全く無意味、無駄だとも思っていません。重要な要素ではあるけども、他に考えたいこともあるよ、そっちもしっかり検討しようね、と少しでも促せればいいなという(のが目標の)ブログ記事です。

そもそも、「検索しない人」が結構いる

2015年に出版された佐藤尚之氏の著書『明日のプランニング 伝わらない時代の「伝わる」方法』(講談社現代新書)によれば、『ネットを毎日利用しない人は、約5670万人』いて、『7500万人が月に一度もネット検索をしない』そうだ。検索を起点にモノを考え始めた時点で、国民のおよそ半分を対象外にして考えてしまっていると思った方が賢明でしょう。

更に言えば、検索してほしいキーワードを認知していなければ、そもそも「そのキーワードで検索」することも難しくなります。知らないことは調べようがないし、興味関心のないことは検索しようという気持ちにすらなりません。

こういう条件をクリアした上で、検索結果画面上での競争を制し、HPやブログに訪問していただいて、中身の問題や信用性、信頼性の問題をクリアして初めてお問い合わせや、その先の成約に至ると思っていただければいいでしょう。

いいキーワード、いい条件を見つけたとしても競争からは逃げられない

上手い具合に他社とあまり競合せず、自社にフィットするキーワードを見つけられたとしても、遅かれ早かれそのキーワードは競合が群がってくるでしょう。検索需要が大きくなれば元々強いところに飲み込まれるでしょうし、利益率の高いキーワードなら、そのうち目ざとい業者が見つけ出して美味しいところをかっさらっていくでしょう。

後出しジャンケンでキーワードを考えたり、すでに競合のいるジャンルでキーワードを一所懸命考えたりしても、まぁそうそう上手くはいかないでしょう。リソースが少ないうちにそこへ全力を投じて上位を取りに行く、上位に居続けるために必死の努力をするというのは、あまり賢いやり方だとは思えません。

見込み顧客やユーザーが、どんなキーワードで検索するかは縛れない

HPを作る際に希望した検索キーワードで1位、あるいは1ページ目に表示されるようになったとして、本来の見込み顧客が需要を感じたとき、必要だと思った時に「そのキーワード」や「1位になる組み合わせ」で検索してくれるとは限りません。

「そのキーワード」自体が専門用語で、一般の方はあまりご存じないキーワードだったり、元々「1位になれるキーワード」に対する世間の検索需要、検索しようと思うだけの認知が十分じゃない可能性もあるでしょう。

サイトを訪れるかもしれない相手、自社や自社サービス、商品のことを調べてくれるかもしれない相手について、多少なりとも考えた上でキーワードを選定し、そのキーワードで上位になるよう努力したり、検索需要の少ないキーワードや認知の低いキーワードであれば、それを少しでも補強できるような取り組みを考えられる方が賢明でしょう。

最優先で考えたいのは、収益に繋げること

もちろん、その手段の一角に「SEO」や「検索結果で上位表示」も含まれますが、最優先の目的ではありません。また、立派なHPを作る、所有することも最優先の目的にはならないでしょう。趣味や学習目的で作られたものでない限り、HPやブログを立ち上げる理由は、利益を上げるため、あるいは上げやすくすることのはず。

そうであるなら、ご自身のビジネス全体を見渡して、その中でHPやブログ、ITをどう活用していくかを考えるのが最も重要な取り組み。Webという選択肢、検索という手法を選んだ時点で相当絞り込まれた相手に対してアプローチするということ。決してHPもブログもSNSも万能のツールではないと分かっておくこと。

キーワードやSEOを最優先に考えるのではなく、まずは自社のビジネスがどういうものかを考えること。今の顧客はどんな人かをしっかり見極めること。その顧客と自社との接点をつぶさに見て、具体的なシーンを想像する方が先。その上で、検索する側の心理的な動き、思考の変遷を想像してキーワードを決める、コンテンツやサイトの構成を考えた方が効果的でしょう。

本当の一丁目一番地は利益。あるいはそれに繋がる顧客

利益が出やすいからとマーケットイン、顧客の要望だけを追いかけて考えてしまうと、「自社らしさ」を放棄することになって、価格競争、生存競争に陥るでしょう。自社と顧客との間で無理なく関係を深めていく。そこをしっかり考えたいですね。

関係を深めるためには、自社のことを明確に言語化しておくこと、お近付きになりたい顧客をはっきりさせておくこと、お互いに歩み寄れる近付き方、情報提供の仕方や営業上の接触方法などを見極め、考えたことが合っているかを検証しておくことが欠かせません。HPを持つ場合の、本来の一丁目一番地はこちらでしょう。

その過程で、必ず「特定のキーワードで上位表示」というのは出てくると思いますが、いの一番にやることではなく、時間やコストを費やして最初に取り組むことでもありません。SEO一位になったからと言って安泰とは限りませんし、持続的な収益を約束された訳でもありません。

それよりも、目の前の顧客、これまでの顧客を大切にする、現場のコミュニケーション、立ち居振る舞い、店舗のレイアウトや清潔さなどを見直す方が遥かに効果があるでしょう。検索エンジン対策は手を抜いていい項目でもないですが、時間やリソースの配分を上手く見極めて、ビジネスの存続により影響の大きい項目、より簡単にできることから手をつけるべきです。

Web以外、SEO以外も見てください。ビジネスのフィールドはもっと広いです

収益に繋がるHPを持っていることは、強力な武器でしょう。SEOがしっかりしているHPも頼りになるし、分かりやすい強みでしょう。しかし、御社のビジネスはインターネット上だけで完結するものではないはず。万が一、インターネットだけで完結するもので合ったとしても、人と人との繋がりやコミュニケーション、生活の変化や心理的な要素も絡みます。そういう時、導入できる要素が絞り込まれるSEOだけに注力するよりは、他のものを引っ張り込む方が楽なはず。

SEOより、もっと手軽に対策できて、効果の大きい取り組みはそこら中に転がっています。WebやSEOが全てではありませんし、思ったよりアナログなツール、アナログな活動の方が強いケースもあります。ご自身のビジネスを客観的に見て、その上でHPを上手く組み込む、事業者を活用することをお考えいただければ幸いです。

こういった諸々を検討した上で、「やっぱり最優先は上位表示、SEOだ」となるケースもありますし、「先に上位表示させてから、他を考える」というのも間違いではありません。ちなみにですが、個人的にはサイトの内容を充実させて、アクセスしてくるユーザーにフィットする内容、先読みしてコンテンツを拡充する方を優先しておけば勝手にいいところに行くと思っているので、ある程度の内部設計を考えておけば、とことんSEOというのは最後で十分、そこまでにある程度の収益も出せているかなと思っています。
盲目的、何も考えずに「とにかく一位だ」はやめましょう、一回きちんと考えましょうよ、というお話でした。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.11.20

2018.11.20

Loading...
Facebook Messenger for Wordpress