冷や汗と恥をかく勇気が、ブログのスパイス

2018.11.26

誰かに見てもらう、読んでもらうブログを書くのなら、意識しておいた方が良さそうなことを、私見たっぷりかつ無責任に放言しようかと。表現するということ、表現者になるということについて、ラフにアウトプットしてみます。

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ブログもSNS投稿も立派な表現

趣味や学習目的のブログ記事であったり、個人のSNS投稿であっても、自分で考えたことや感じたことなど、頭の中にあるものをアウトプットすれば表現になります。誰かに見せたり、読んでもらうつもりがなくても、顔や身体、皮膚より外に出てしまえば「表現」で、大きい小さいもクオリティの高低も、テクニックの巧拙も無関係です。業務の一環として書いた記事やSNSの投稿も、担当者に表現したつもりがなく、芸術的な要素やスキルが不十分だったとしても、表現には変わりないでしょう。

ビジネスやマーケティングとして、ブログやSNSを活用しているのなら、読んでもらうこと、見てもらうこと、可能なら伝えたいことが少しでも伝わってくれることが目的、あるいは目標にしているかと思いますが、誰かに受け取ってもらうことを考えるなら、「自分は表現者である」ということを、少しは意識された方がいいんじゃないでしょうか。

自分たちのブログ、あるいはコンテンツを読んでもらう、見てもらう。その上で伝える、感じ取ってもらう。それらを、表現しようという意図や、表現者であるという意識なしに取り組んでも効果は浅くなります。表現者と受け取り手(=お客さん)という意識、マインドセットで取り組む。より効果的なビジネスブログ、コンテンツマーケティングをやる上で、早めに意識しておきたいポイントです。

お客さんは、相当シビア

たとえ無料のサービスであっても、興味関心のないもの、認知していないものには、残酷なぐらい冷淡です。時間もお金も簡単には割いてくれませんし、立ち止まったり、振り返って注目してくれることもありません。ブログやSNSでも同じです。発信する側が「何でだろう」とか「もっと優しくてもいいのに」と思ったところで、冷たくされるのが基本でしょう。

顔や名前が分からない環境なら、なおさら。お互いの関係性が乏しければ乏しいほど、厳しくなるのが一般的な反応で、少しでも暖かい反応を得る、より良い反応を返してもらえるように距離を詰めていく、人間関係や信頼関係を構築していく、信用を積み重ねていくのが普通でしょう。

一定の関係性を築いていても、時間やお金を割いてくれるかどうか、自分の生活を止めてこちらを見てくれるかは、割とシビアです。こちらが発信したものを、好意的に受け止めてくれるかどうかは、輪をかけて厳しくなるでしょう。

何となくで書いたブログや、誰に向けたものかが絞り込まれていない記事、何を伝えたいかが整理されていないコンテンツを、果たしてどんなお客さんが、受け取ってくれるでしょう。誰が好意的な評価、好意的な受け止め方をしてくれるでしょう。無反応、無視がほとんどじゃないでしょうか。

受け取る相手を絞り込まず、誰にでも好意的に受け止めてもらえる文章や、色んなところに配慮して自分の意見や思想が全く含まれていない当たり障りのないブログ、読んだ人のアタマやココロに引っかかる要素が一つも含まれていない内容、箸にも棒にもかからず、記憶に残ることもないクオリティ、一切感情を動かされることもない記事であれば、無かったも同然。どれだけ時間をかけたかは関係なく、お客さんに何も感じてもらえない、伝えられないコンテンツであれば、投じたコストは水の泡になるでしょう。

表現したものを受け取ってもらいたい、そこから何かを感じ取ってもらいたい、理解してもらいたいのなら、毒にも薬にもならない優しいコンテンツは避けたいですね。表現する自分にも、それを受け取る相手にも少し負担をかけてしまう優しくないコンテンツ。あるいは、関係者や諸先輩方、世間の知識人や身内のお歴々に対して、冷や汗を書くかもしれないコンテンツ。世間や自分に対して、多少なりとも恥をかくかもしれない本当は隠したいコンテンツ……。そういう、多少尖ったコンテンツ、ブログ記事でないと読んでもらえない、受け取ってもらえない。あるいは、受け取ってもらえたのにアタマやココロに残らない、理性にも感性にも響かないものになってしまいます。

刺さるコンテンツ、価値あるコンテンツを目指すには、勇気が要る

お客さんに立ち止まってもらう、お客さんに感動してもらう、あるいは理解してもらうには、小さな身振り手振りではダメでしょう。コンテンツ全体の構成、戦略や魅せ方を考えた上で、表現の緩急、力強さや柔らかさ、身振りや手振り、音の大小も加減しなければ、コンテンツの最後まで注意を引くことはできないでしょう。

何を伝えるか、何について表現するかも重要で、「これまで世の中にあったもの」と大差ない内容であれば、頷いてもらえれば御の字。大抵は無視、無反応。自分の伝えたいことを最大限受け取りやすくしながらも、自分ならではの大胆な発想、解釈や考え方を織り交ぜていく。「誰々の言ったこと」という引用の範疇を出ないものも、大きなインパクトを与えるには至りません。

組織に守られながら、表現するものの責任を自分で取らず、虎の威を借りて身分不相応の演技もどこかで見抜かれますし、所属する組織に遠慮して、やりたいことを全力でやりきらないのも、誰にも届かず、何も伝えられずに終わります。

「そんなことを言っても、組織の一員としてブログを書く、表現しているんだから仕方ない」と言いたそうですね。そのスタイルも決して悪いことではありませんし、コンプライアンスやみんなの意見を大切にしながら、当たり障りのないブログ記事、安全安心なブログ記事を書いていただいても、もちろん構いません。ただ、その場合は大した反響は得られない、限界が早めに来る、投じたコストが回収しにくくなるかもしれない、ということは覚悟しておいてください。

上記の裏をやれば、刺さるコンテンツ、伝わる可能性の高い価値あるコンテンツへの道が開ける、ということです。つまり、「みんなの意見」を代表として表明するのではなく、「書き手個人として」、自分の意見や考えを書くということ。全体のカラーは保ちながら、自分らしさを発揮して、「どんな中身であっても、最終的に自分が責任を負う」つもりでブログを書くということ。前例を踏襲しすぎることなく、群れの中で埋没することもないように、注意の耳目を多少集めるような形で書くということ。

良くも悪くも、目立つということ。いい反応も悪い反応も、全ての責任は自分の表現にあるということ。自分の裡や性根を多少なりとも曝け出すこと。間違いも失敗も全て自分が痛い目をして、誰も歩いていない道、踏み入れていないところへ立つということ。

上手くいけば賞賛や感動、ビジネスを好転させることにも繋がりますが、下手を踏めば批判やネガティブな反応、ビジネスに対するデメリットを誘発することにも繋がるでしょう。これは、めちゃくちゃ怖いですよ。でも、この怖いことをやらないと、良い悪いの反応すら得られない、見てもらえない、記憶にとどめてもらえないのがコンテンツ。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」でリスクを取りに行って、磨き上げた己の技や、あまり外に出したくない暗い部分や負の部分も含めて、内面を人に見せる。その行為、勇気がこの上なく尊くて、だからこそ全力で作られたコンテンツ、見てもらおう、読んでもらおうと思って作るコンテンツも同時に尊いもの、価値のあるものになります。

ブログやSNSにも、冷や汗や恥をかく勇気を

繰り返しになりますが、個人の趣味や遊びなら、どう使ってもその人の自由です。読まれなくても、伝わらなくてもいいでしょうし。でも、ビジネス目的、仕事として取り組まれているのなら、読んでもらう、見てもらう、その上で理解や感動が起こるように、発信する側が努力しなければいけません。

ブログであっても、SNSであっても、伝えたいことがあるのなら、それ相応の覚悟や勇気を持った上で表現された方がいいでしょう。伝えたいことがそれほど重要でないなら、相応の軽さで発信すればいいですが、ビジネスに込める想いをしっかり伝えたい場合や、これまであまり振り向いてくれなかった方に届けたい場合は、それなりに冷や汗なり、恥をかくつもりでハラをくくって表現する方が効果的です。

誰にでも当てはまる内容や、伝える相手を絞り込まない内容であれば、それほど「自分を出す」必要もないですが、その分深くは刺さりません。相手を絞ってグッと伝えたい、「自分たちならでは」を伝えたい、より強く伝わってほしい場合や「濃い」内容を届けたいときは、従来の価値観や組織の枠からしっかり飛び出すことが欠かせません。

群れから飛び出す勇気、怖さも痛みも知った上で自分を出す姿勢。それらを持って発信すれば、良質なコンテンツや表現者を探している人の目にも留まりやすくなりますし、コンテンツの裏にある心意気や、滲み出る精神性みたいなものが、価値やクオリティを高めてくれるでしょう。

ブログやSNSを表現というには、大それた捉え方かもしれません。「シビアなお客さんがいる」と考えず、上司に支持された通りに業務として取り組んでもいいでしょう。でも、少し意識するだけなら費用はかかりません。それだけで投じたコストが回収しやすくなる、とはとても言えませんが、ブログやSNSの発信力、表現力は多少なりとも高まるのではないでしょうか。少しずつ磨いて行ったその先に、より良いビジネスやより良い出会いがあるとは思いますが、本当にどうなるかは、やってみてのお楽しみ。

怖さや痛みを受け入れる、冷や汗も恥もかくべき時はかいてみる。そういう覚悟、そういう勇気が表現の肝。怖いけど、一緒に頑張りましょう。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2018.11.26

2018.11.26

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