Vol.32 プラットフォームとの付き合い方

2019.09.20

Webサイト制作や、Web活用をお手伝いしていると、よく「SEO」だの「SNS」だの「Googleに愛されるサイトの作り方」だの、色々見聞きするのだけれども、その辺に対する違和感というか、個人的な考えを、例に漏れなく文献もデータも足がかりにせず、根拠のない私見100%でお届けしよう。

この記事は 約 7 分で読めます。

相手の土壌、相手の流儀に合わせられれば上手くいく

自分の都合や強みより、相手のルール、ポリシーが優先される

SEOにしろ、SNSにしろ、あるいは「Googleに愛されるサイトを作る」にせよ、何らかのプラットフォーム、特定の事業者が提供するサービスを利用する場合、基本的には相手のルールや規約、相手が想定している「こうして欲しいこと」を学ぶこと、守ることが欠かせない。

もし、そのルールやポリシーが自分たちの理念や理想と合致していなかったとしても、守らなければならない。自分たちの得意なことができなかったり、プラットフォーマー側のルールや変更に追従する、学習することに時間やその他のリソースを追加で投入する場合も出てくるだろう。

プラットフォームを提供する側が作った、便利なテンプレート、システムを利用する以上は、それに従うしかない。それに同意した上で利用するのだから、それでもいいのかもしれない。だから、自分たちの打ち出したい見せ方を取れなかったり、伝えたい強みが上手く伝えられなかったとしても、相手の流儀、相手の勝ちパターンに合わせていくしかない。

それで、利用する側もプラットフォームを提供する側も共に成長していって、お互いの貢献が双方にとってのメリットに繋がるのなら、その努力も無駄ではないのだろうが、十分に育ってしまったプラットフォームに対して、一人や二人の新参者が貢献を目指してみたところで、得られる効果というのはそれほど大きくはならないだろう。

「みんなやっている」から、自分もやった方がいい?

そのプラットフォームで成功している人がいる、ノウハウがまとめられているから真似すればいい?

本当に、そうだろうか? 「みんながやっている」ということは、すでにそのプラットフォームやノウハウは、レッドオーシャン化している。先行してプラットフォームの中での上手い立ち回り、勝ち方を知識ではなくノウハウや勘として身体に身につけている人や、そこに投入できる人的なリソース、資金的なリソース、技術も潤沢にある人、再投資できるものも豊富に持っている人も沢山いるだろう。

「こうやったら上手くいく」は、果たして最新のものだろうか? 本当にそれで上手くいくと信じていいだろうか? その情報をまとめた人、その情報を提供している人が自分の実績にしたい、ブランディングやプロモーションに活用したいから、そのコンテンツを世に送り出している可能性もあるのでは? 何も知らない人をカモにするためのトラップ、追加で費用を巻き上げるための仕掛けかもしれない。

ただ「流行っているから」とか、「自分もやった方がいい気がする」ぐらいの感覚で、何も考えずに突っ込んでいく、無料だからと手を出して、結局多くの人的リソース、時間を投入するのは避けた方がいい。勝てない可能性の方が高い。

周りの人や世間が、「どんなことをしているのか」を見てみる、趣味の範疇で楽しんでみる分には得るものも多いだろうが、本業の時間を割く、やるべきことを棚に上げてまで「無料だから」と自分の人件費を考えずに長時間費やすのは辞めておこう。

プラットフォーム側の型にハマるデメリットも考えよう

自分たちの持ち味、得意なことや強みが活かせないかもしれない

世の中には、色んなプラットフォーム、上手に使うとメリットのある無料サービスも沢山あるが、投入できる人材やリソースが少ないうちは、あまりそこへ熱を上げない方がいいだろう。まずは、利益を上げるための必要な、本流の業務、本業と直結する部分に力を注いで、商品の質、サービスの質を高める、目の前の顧客をしっかり掴むことを優先しよう。

日々の業務を回すのに問題がなくなってきた、自分たちの良さが一定の顧客、世間に拡がってきて、成長していくのに十分な足場ができた、体力ができたときに、初めてプラットフォームのことを考える、ぐらいの方がちょうどいい。

自分たちの得意なこと、強みがはっきりわかった状態、何をどう伝えれば収益につながるか、顧客のためになるかが分かった状態で、プラットフォームの型にはまっていく、相手の思惑に乗るようにした方が、メリットもデメリットも綺麗に切り分けられて、程よいバランスで「利用する」ことができるだろう。

「何でもかんでもSEO」ってことでもないし、「SNSを使いましょう」ってことでもないし、「インスタ映えですよ」ってことでもない。「Googleに愛されるHPを作りましょう」が必ずしも正解とは限らないし、「今の検索エンジン対策」や「多数派に響く(効果があった)Webマーケティング」を取り入れたところで、自分たちに合った顧客が来てくれるとも限らない。

重要なのは、コンバージョン数でもなく、PV数でもなく、定着してくれそうな顧客がどれだけ来てくれるか、一度来てくれた顧客がもう一度来てくれるか、自分たちの理念、やりたいことをよく理解した人が来てくれるかどうか。表面的な価値、分かりやすい金額や売れ線の商品やサービス(だけど利益の薄い、または赤字)だけを利用する、「本来の顧客ではない顧客」を大量に招き入れる結果になったって、意味がないどころか、大きなマイナスだろう。

上手に使うための学習コスト、水泡に帰すかもしれないことに時間を投じるデメリットもよく考えて、使い方、向き合い方を考えてもらった方がいい。

プラットフォーマーや回し者を富ませても仕方ない

あなたや、あなたが幸せにしたい顧客が富むことが最優先

プラットフォームを提供する人たち、オススメする人たちは、もしかしたらあなたの弱体化を狙って、そのプラットフォームを提示しているのかもしれない。「出る杭」が「出過ぎた杭」にならないように、ニコニコ笑いながら手ぐすね引いているのかもしれない。出過ぎなければ叩けるし、新しい芽が成長しすぎなければ、前から強い方が優位なままになる。

承認欲求に飢えているところへSNSを提供し、それによって「褒められたい人」の飼い殺しを狙ったように、Webマーケティングやブログ更新、SNS運用のような「上手く使うと便利でメリットもあるけど、余計なめんどくさいこと」を勧めて来ているかもしれない。

今強い人たち、あるいはそれに類する人から支援を受けていそうな人たち、煌びやかに見える人たちが笑顔で提供してくれるもの、コストダウンにつながるからと提案してくれるものに対しては、慎重になろう。彼らの思惑に乗っかって、彼らにリソースを吸い取られる、自分のリソースを無駄に費やされても、いいことなんて何もない。

本当にそのプラットフォーム、その提案や施策が自分たちを豊かにしてくれるのか。投じるコスト、リソースに対して得られるものが十分にあるのか。その余計な取り組みが、自分たちのためになるのか。自分たちを支えてくれる人たち、自分たちが幸せにしたい顧客のためにも繋がっていくのか。一時的なメリットだけじゃなく、中長期的な永続的なリターン、複利的な効果が得られるのかどうか。そこをしっかり検討していただきたい。

一見ラクなこと、初期投資のコストが低いもの、目先の痛みを伴わないものは良さそうに思えるけれども、大抵はトラップ、罠が仕掛けられている。潤沢なリソースが無い間、十分な体制が整っていない間は、特に注意して慎重に見極めることをオススメします。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2019.09.20

2019.09.20

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