やりたいこと1 ペルソナスター・システム

2016.06.28

UXやブランディング、広告や広報、Webサイトのデザインなどに幅広く使われるようになった、ペルソナ。せっかく作られたペルソナを、作劇の世界でも使われる手法でもっと活用する方法はないだろうかと考えた末にたどり着いた「やりたいこと」とは?

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ペルソナとは?

デザインをお仕事にされておられる方や、マーケティングやブランディングに携わられている方なら、耳にタコができるほどお聞きしているであろうペルソナ。アトラスさんから発売されている人気のゲームのことじゃなく、心理学の用語の方ですね。

デザインも文章も、誰かに向けて作ったり書いたりしないと効果が出ないというのは、私が言わずともご存知だと思います。
「誰にでも好かれようとすると、誰からも好かれない」ので、特定の興味関心を持たれた方にめがけて、色味を選んだり、伝えるポイントを変えたりして、効果の出やすそうな広告や広報、デザインといったお仕事をされていくと思うのですが、この時に「誰にするか」をよりリアルな人物像に近づくまで考え抜いて構築されたのが、「ペルソナ」と呼ばれるものになります。

以前は、「セグメント」と呼ばれるような大雑把な区切り方でも効果が出ていました。
年齢や性別、住んでいる地域、職業や年収、大まかな興味関心で領域を分けて、そこに向けてメッセージや広告を打てば響いたようなのですが、2000年代、2010年代と時代が進めば進むほど多様化が進み、「セグメント」のような考え方や、統計データなどから導きやすい要素(デモグラフィック要素と言います)だけでは、以前ほどの効果があげられなくなってしまったようで、より細分化されたモデルを用意する必要がありました。

そこで登場したのが、「ペルソナ」という手法のようです。
具体的な1人(それでも架空の人物)を目に見えるデータや、心理的な要素(サイコグラフィック要素といいます)などから考え出し、その人に向けてメッセージやデザインを絞り込んで発信していけば、効果がより上がるのではないかというのが、ペルソナマーケティングなどと呼ばれていたりします。

正確なペルソナがあれば、ユーザー目線のブランディングや、ブランディングの要所を整理したカスタマージャーニー、ユーザー体験といったものも構築しやすくなり、より効率よくエンドユーザーの獲得や関係性の進化といったものができるようになるのですが、正確なペルソナを導くまでの調査などに膨大な費用がかかることが少なくないようで、ポンポンとペルソナを作るといった行為は難しいのが現状のようです。

また、考える側の想像力なども乏しい場合、出来上がったペルソナで十分だと判断して、見直しや深化などもしないまま、ペルソナを活用したマーケティングや戦略を立てておられる事業者さんも多々おられるようです。

きちんと作れば効果の上がるペルソナですが、作るのに時間やコストがかかり、作った後の再利用やメンテナンス、運用も大変だという事実もあります。これからの時代、いかにいいペルソナを持つか、いかにペルソナを深化させるかがポイントなのではないかと思っています。

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スター・システムとは?

スター・システムというのは、演劇の世界や小説や漫画の世界で使われる手法のこと。
スター・システム(Wikipedia)

小説や漫画、アニメで使われる場合は、あるキャラクターを著作家が色んな作品で起用することで、作品の枠を超えたキャラクターにしようという手法。元々の世界観や設定が地続きのままで行われると、「クロスオーバー」と呼ばれたりもする手法です。

これが世界観や舞台設定といったもので使われると、「シェアワールド」と呼ばれたりします。
『クトゥルフ神話』や『ガンパレード・マーチ』関連、『指輪物語』なんかもシェアワールドの一つですね。テーブルトークRPGといったアナログゲームの世界では、割と使われやすい印象です。

これを使うと、一からキャラクターを作り上げたり、世界観を作り上げるよりも楽に小説や漫画、ゲームを作れるようになります。キャラクターや世界観、舞台設定のリサイクルという言い方もできるかもしれません。

キャラクターを出世させていったり、キャラクターへの人気が出ることで無名の作品にも最初から注目を集められたりもするので、最初のコストや継続運用によるコストはあるものの、利点の高い作劇の手法だと思います。

これを、「ペルソナ」にも導入しようというのが、ペルソナスター・システムの発想の元です。

ペルソナスター・システムって?

最初に一所懸命作ったペルソナを、物語の登場人物や主人公に見立てて、色んなところで起用していくことでペルソナの深化や再利用、再解釈をしていこうというのが、ペルソナスター・システム(仮)です。

たとえば、Aというサービスを伝えるために作ったペルソナ、「A子」という女性のペルソナが生まれたのなら、そのペルソナが主役になったフィクション(小説・漫画・アニメ・ドラマ他)を作ってみたり、そのペルソナに実在の商品やお店、サービスを作品の中で使わせてみて、その感想などをつぶやかせるといったやり方で、そのペルソナ、その人物、そのキャラクターは何を考えるのだろうかというのを「みんなの頭を使って」考え、蓄積、ブラッシュアップしていこうというアイディアです。

スター・システム、ペルソナのシェアといったもののを積み重ねていくと、今度は逆にペルソナから見たサービスや商品の解説、評価といったものもできたり、ペルソナといった「架空の人物」に憧れたり、共感を抱いた人に商品やサービスの魅力が伝わるような現象も起こるのではないかと考えています。

ただし、あまりにもビジネス臭を漂わせた人たちがいいように使ってしまうと、せっかくのペルソナの可能性が死んでしまう可能性が高いので、エンターテインメントなコンテンツ制作を主としている人や、アマチュアの作家・漫画家などに使っていただきながら、あからさまでない広告や広報といった使い方をしていければ、無限の可能性があるとも思っています。

「ペルソナのオープンソース化」とも言えなくもない、ペルソナスター・システム。少しずつ余裕ができてくれば取り組んでいけると思うので、ぜひ沢山のペルソナを生み出してみたいですね。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2016.06.28

2018.04.30

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