「物語」のメリット

2016.06.30

「物語」へのこだわりは分かったとして、なぜ「物語」を重視するのか。
その理由も、改めて整理してみました。ご一読下されば幸いです。

この記事は 約 5 分で読めます。

「面白い」が最重要

ビジネスの場面では、伝えるということはその裏には必ず「利益」や「売上」といった「数字」や「お金」が隠れています。
自分でチラシを作ろうが、マスメディアにCMを流してもらうために、広告代理店に頼もうが、絶対にお金が動いています。

そのお金を回収しようと、とにかく商品やサービスの「売り」になる部分を伝えてみたり、お得な部分を伝えてみたり、一所懸命情報発信をしてみるのですが、これが最近、特に情報の大洪水が起こっているインターネット、Webサイト上やSNS上ではあまり伝わらないようになっています。

受け手側のリテラシーの向上や、そもそもの情報量の多さゆえに気付いてもらえなかったり、みられても覚えてもらえなかったり。届けられる情報を、特定の部分しか発信しないため、そもそもの情報量が少なかったりして、伝えようにも伝えられないのが現状です。

また、ガツガツと儲けようとしている人の情報を、そのまま受け取ってくれる人は中々いないのも人間の不思議なところで、伝えようとすればするほど身構えてしまうのが一般的な反応でしょうか。

「物語」の場合は、そもそも「没頭してもらう」ことと「楽しんでもらう」ことが先に来なければ、存在意義がありません。
物語の世界に引き込まれた状態でなければ、その中に登場する「物」が語りかけてくれる場面でも、「何を言いたいのかがわからない」といった状態になりかねません。

メリットや売りを伝える前に、コンテンツとして面白いことが最重要。受け手に喜んでもらってから、なんらかの伝わる物が出てくればいいな、というのが「物語」を使う特徴というか良さというところでしょうか。

良いも悪いも含まれていて初めて「面白い」ので、記憶にとどまりやすい傾向にあるのも物語の特徴です。
場面やアイテムを覚えてもらえるように、作り手側が努力しているというのもありますが、「丸ごと」提供する意味は大きいようで、一回では受け取りきれない「見えない豊かさ」のおかげで何度も思い出したくなったり、何度も触れてみたくなる物語が生まれることもあり得ます。

ビジネス的な側面で言えば、コストダウンにもつながりますよね。

解釈してくれる相手が主導

「物語」は、読み手や受け取り手の中に構築される解釈、「行間を読める」部分も、その特徴です。

つまり、発信する側の意図が100%伝わるかどうかは分からないという要素があります。
この特性があるおかげで、伝えたいことを伝えまくって、「説得する」ようなことは基本的にはできないです。

作り手のスキルや心理学的な理解が異常に高い場合、説得に近い物を盛り込むことはできますが、その場合はステルスマーケティングやプロパガンダといった物に近くなってしまい、一度やってばれてしまった作り手は、二度とまともに受け取ってもらえないでしょう。

また、解釈できる人と解釈できない人とが生まれてくるので、解釈してくれる人を特別扱いすることもできます。
一定のフィルターをかけることにもつながるので、物語に共感できない人を遠ざけることもできる可能性があります。

受け取り手に主導権があり、納得してもらえる人とだけ関係を深めていけるのも、物語のメリットの一つでしょうか。

敬意を払った「おもてなし」を込めることができる

「物語」に没頭してもらうというのは、非常に繊細な気配りが要ります。
また、受け取り手を小馬鹿にしたやり方や、上から意見を押し付けるような表現を取ってしまうと、勘の良い相手はそこで触れるのをやめてしまいます。

受け取る方に最大限の敬意を払いつつ、細部への気配りも忘れない「心尽くしのおもてなし」でなければ、ビジネスで必要なレベルの「納得」には至れないように思います。

また、敬意を払って向き合う相手に、真正面から向き合わなければ良い「物語」は生み出せないので、必然的に対等な関係、対等な情報の出し方になりやすいです。おまけに、誠実な情報提供の仕方をしなければ、最後まで物語を楽しんでいただくという、信頼関係も築けません。

従来の広告やWebサイトのような、情報の非対称性がまだ存在すると信じた情報設計や、定説という見せかけだけのウソ、上から知識を披露するような説得などでは、「物語」の形は維持できずに破綻してしまいます。
従来のやり方で「自分より知識のない人」から売上を上げるようなやり方は、そろそろ先細りにもなってきているので、「自分よりも知識のある人」に敬意を持っておもてなしするような接し方をするには、「物語」の形が向いているのではないだろうか、というのが個人的な考え方です。

その結果、オンリーワンな部分を見せやすくもなり、値引きをしなくてもご購入いただけるお客様とも出会えるのではないだろうか、というのが「物語」を活用するメリットになるのではないでしょうか?

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2016.06.30

2018.04.30

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