制作に主眼を置かない3つの理由

2016.09.25

多少なりとも制作をやってきたからこその、「制作」に対する想い。できることと、提供したいこととの差を埋めつつお客様に対して責任を負うとなると、あえて「制作」を下げざるを得なかった理由をまとめてみました。

この記事は 約 6 分で読めます。

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1.「素人の生兵法」に歯止めをかける

そもそもの問題点は、実は我々のような単価が低めの制作会社が、「プロフェッショナル」として見られていなかったり、自分自身をそういう位置付けにしてもらえていないブランディングに起因したりはしますが、お客様の意識の問題も少なくありません。

お医者さんや弁護士さん、あるいは税理士さんなど、「先生」と呼ばれる人たちと同様に、難しい試験や免許はないものの、専門知識とスキルとを要する専門家である(ことが多い)制作会社に対し、「制作依頼」を発注してくるお客様の何割かは、我々のことを「(インターネット上で)伝えることの専門家である」と見なしていないことがあります。

「私達も知っている」とか「私達も作れる」とか「元々その業界にいた」とか。いろんな事情から、我々に全面的にお願いする人たちよりも、指示書に近いものを持ってきて、「こういうものを作って欲しい」という依頼が来ることが私の場合は多かったです。

下請けの場合はそれでもよかったのですが、パートナーを介した直接のクライアントでもそういうケースがいくらかあったので、安価な価格帯だとそういうケースは多々あるのかなというのは、個人的な推測です。

そういったケースの何が問題なのか。それは、「本当にそれをやっていいのか」の判断がお客様にも分からないというケースがあるから、です。何を達成するためのものなのか、何を伝えればいいのか、何がゴールなのかがその時々でブレブレになることも少なくなく、制作が始まってからの仕様変更や要望の変更が出ることも少なくないです。
それに逐次対応した結果、成果が出なかったら「我々が悪かった」と制作会社のせいにしてしまったりするのは、わりとよくある話のような気がします。

素人と言ってしまうと表現が悪いですが、正確な知識もないまま勝手に自分で診断して、自分で施して欲しい施策や対応策を指定して、それに対応したのにコミットメントを求められても、それは無理な話。

「その無茶振りにも対応するためにお金をもらうんでしょ」とか「それがお仕事でしょ」とも言われてしまうのですが、私自身はそういうことをするために事業をしているわけではないですし、いただいた費用の分お客様や世間様に対してしっかり責任を負いたいので、素人判断で右左に動かされるのをそのまま受け取って動くという業務はできかねる、というのが「制作」に主眼を置かない理由の1つです。

2.「細やかなこだわり」や「心変わり」に対応する余裕はない

制作に期限や基準を作ってしまうと、「欲しいものを作る」ということになってしまったり、「もっとクオリティを上げて欲しい」という要望が出てきたりします。成果を左右するものであれば対応しますが、明らかに発注者の自己満足に過ぎない領域で時間やコストをかけさせられるという自体を何度か経験してきましたが、基本的には無駄に終わることがほとんどでした。

また、終わりが見えてくると途端に細かい要望が出てくることもしばしばで、ピクセル単位の調整やパーツや挙動の微妙な変更にまで付き合わされ、「請負だからそれが終わらないとお金がもらえない」ということで一所懸命対応してきたこともありますが、それもおそらくエンドユーザーさんにはほとんど影響しない、無駄なこだわりだったかと思います。

制作スキルを上げるためには必要な家庭だったのかなと思わなくもないですが、そんなところにお金をかけるぐらいなら、本業や本業の生産性向上のために投資をしていただいた方が、いくらもお客様のためなんだろうなと思ったりもしましたが、そんなことを考えるようなお客様はあまりいらっしゃいませんでした。

目先の要望や細かな願望を叶えるために右往左往していては、解決すべき問題の本質にはたどり着かなかったり、顧客の心をつかむところに回す時間が取れなかったり、「作ったものの効果がなかった」というのもよく出てくるので、「欲しいものを作ります」といった表現もあまりしたくなかったので、「制作」には主眼を置かないサービスをご提供しようと思いました。

だからといって、提供するものに手を抜いたり、デザインをしないからといって見えかたを一切気にしないようなクオリティでは、他所との差別化も図れないので、表現力のブラッシュアップも怠らないというのは、私にとっての永遠の課題になりそうです。

3.解くべき問題は、「制作」で解決しなかったりする

お客様のやりたいこと、成し遂げたいことを達成するための治療法、特効薬が「ウェブサイト制作だ」ということはほとんどありません。多少のサイト改善は真の問題解決の手助けにはなったとしても、無目的なリニューアルは百害あって一利なし。ほとんど、お客様の自己満足か、節税対策にしかなりえません。

問題解決をするのなら、「制作」を目の前に提示しますが、本当にやるべきことは「問題発見」。解くべき問題そのものが何かを見定める必要があると私は考えています。解くべき問題を、ご自身で完全に理解されておられるお客様はほとんどいらっしゃらないので、「これじゃないか」という問題はあったとしても、それが正解である確率はあまり高くないとも思っています。

もちろん、「(インターネット上で)伝える専門家」であったとしても、お客様の事業やお客様が望む顧客像の専門家ではないので、そこの把握をしながら、自分の持っている知識などもお伝えしながら一緒に解くべき問題を考えていくことが最も大事なことだと思うので、「制作」は二の次三の次にしています。

ただ、いきなり根っこは見えてこないので、目の前にある課題をとりあえず解いてみるという意味では、素早く形にして、目で見ながら考えるという意味では「制作」は必要不可欠であるとも思うので、頭の中でひたすら暗算するよりも、一度お客様の目や、お客様のお客様、或いは世間に対して形にして、反応を見ながら考えた方が、「真に解くべき問題」に近づけるとは思っているので、作っては壊すスタイルも提案している次第です。

それ専用のウェブサイトやドメインを使いながら、スクラップアンドビルドで深掘りしていく。その過程で、お客様のファンや既存の顧客との関係性強化も図っていく。短期的な施策や目先の目標に左右されないように、切り離した形で「制作」をメインにせず、問題発見や問題解決に主眼を置いていただきたい。そういう考えから、「制作」は含むものの制作をメインにはしないサービス構成にしているというのが、3つ目の理由です。

思い込みを廃して、世間からのフィードバックを使って問題発見を目指す

作ることでの問題解決よりも、作ることで問題を見つける。一人では難しい領域だからこそ、そこに関する専門家として存在したいと考えています。残念ながら、まだまだやれることは少なく、駆使できる能力もお披露目する実績も少ないので、どんどんお声掛けいただいて、私の成長を促していただければと思います。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2016.09.25

2018.04.30

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