『ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング』

2016.09.27

若干「アレッ?」とか「大丈夫か?」とか思うような商品や、グレーじゃないかという表現を盛り込んで制作した経験もゼロではないです。制作時に感じた違和感について、ズバッと語ってくれたように思う書籍をごくごく簡単にご紹介してみます。

この記事は 約 4 分で読めます。

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著者イタマール・サイモンソン
エマニュエル・ローゼン
翻訳千葉敏生
版元ダイヤモンド社

2016年6月16日が初版の書籍。
「ステマ、桜レビューから、盛りすぎコピー、ブランドの本音まで。顧客はすべてお見通し」という帯文が痛快かつ衝撃的だったので読んでみた一冊です。本書に出てくるポイントとしては、時代の変化と消費者(の購買行動)の変化。口コミの影響力を主に、今までのやり方が通用しなくなってきたところから、順番に解説してくれる書籍です。

ただし、書籍の内容は基本的に著者の本国で起こっていることなので、日本での変化には少し違いがあるとも思いますので、その点はご注意いただきながら、お読みいただければと思います。

変化1.「絶対価値」を調べやすくなった

スマートフォンやタブレットなどの普及も相まって、目の前の商品やサービスの価値がどれほどのものか、さほど待たずにカンニングできる時代。ウェブサイト別の料金比較サイトも当たり前になるぐらい、見せかけの価値や見せかけのブランド力、知名度なんかは役に立たない時代が訪れています。

変化2.「フレーミング」が難しい時代になった

情報へのアクセスの仕方や、大量の情報を浴びることによってリテラシーが上がってしまい、嘘やステマが見抜かれるようになりました。
単純に言えば物理的な「枠」や心理的な「枠」、確かめてみようかという心理的なハードルがほとんどなくなってしまったり、同一情報を取得する経路が多様化したために、フレーミング効果や文脈効果、商品陳列による売り込みなんかは効果が薄くなりました。

変化3.商品によっては、細かなスペック差は無視される。調べる価値がなければ、習慣が勝る

僅かな違いや、目先の違い、多少の優位性を使って論理的に消費者を説得しようと思っても、聞く耳を持ってもらえない時代にもなっています。また、過去のきらびやかな実績や、他の領域での活躍などにも騙されることなく、実際に今どうなのか、商品やサービスの実力や事実はどうなのかといったことを、しっかり確かめる傾向が強くなっています。

新しいマーケターのフレームワーク、「POM/影響力ミックス」

Pは消費者の過去の思考や信念、経験など。曖昧で変わりにくい傾向。
Oは他人や情報サービス。口コミやレビューを指し、基本的には信頼されている傾向。
Mはマーケター。消費者とは利害関係があるので、根本的に疑われ、不信感を抱かれています。

この、3つの要素のうち、特にOが影響するかどうかで取る戦略が変わってくるというのが筆者たちの主張です。

グローバルな企業や薄利多売のビジネスモデルを抱えている場合、消耗品などを扱う商売であれば今まで通りで十分でしょうが、そうでないローカルな傾向が強いビジネスや一人当たりの単価が高いカテゴリーの場合は、口コミや評判に対して真摯に向き合っていく姿勢が求められているように思います。

そして、マーケターがやるべきは認知よりも関心。不信感を抱かれる存在がブログやSNSで情報を使って説得を図るよりも、消費者の良き隣人として人間関係を作っていくほうが、消費者の心をつかめるのではないかというのは半分ぐらい私の意見です。

データや論理的思考による予測や支配より、観察や追跡による顧客満足の追求をするべき

広報やPR、口コミといったところに注力すべきだと思うのは、説得やフレーミングが役に立たない状態になっているというのもさることながら、普段からいかに真摯に、いかに誠実に世の中や消費者と向き合っているかが問われているからだ、と思っています。

無用な嘘や過剰な演出は簡単に見透かされますし、小手先のスペックや表面だけの勝負はかけただけのコストを回収できるほど、消費者に魅力的でなく、すぐに忘れられてしまうからです。
ガツンとインパクトを与えるようなレベルの商品、サービスを目指しつつ、当たり前の水準を高めながら、既存顧客や見込み顧客に愛されてもらう。当たり前で面倒だけれども、唯一絶対のやり方を取るのが、急がば回れで有効なのではないでしょうか。

時代の変化を乗り越えるためにも、広告や説得、利益の追求を重視したスタンスから、弊社が提唱する広報や人間関係の構築を優先したスタイルへ変化してきませんか? 即効性はお約束できませんが、ゆっくり着実に効果を上げていくと思いますので、お試ししてみてください。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2016.09.27

2018.04.30

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