「コト」を積み重ねて、効率良く陣を敷く

2016.12.08

右を向いても左を向いても、成熟市場。完全に新しいものをポロっと生み出すのは難しく、それを知らしめるのもまた難しい現代。後発組の弱者としてどう動いていきたいのかを、整理してみます。

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小さくても強固な城、ブランドを最速で作っていく

立ち上げたばかりのサービスや商品、Webサイトで強引に勝ちに行くと、撤退ラインも防衛拠点も優位性も把握しきれずにただただ死にゆくばかりになる。使えるリソースも大きくないのなら、奇襲をかけてでも勝ちに行くこととか、リソースを使い切って勝ちを拾いに行くようなやり方は避けるべきだと考えている。

まず、負けないこと。負けないためには拠点と味方、守るものを明確にしておくと投じるリソースに無駄が出にくい。ビジネスやWebサイトの場合、拠点がブランド、味方や守るものが顧客やファンということになる。これを最短最速で作っていくためにも、「モノ」としての情報伝達を目指すよりは、書き残すことや体験に注力した「コト」としての情報伝達を選んだほうがいいのではないか、というのは個人的な考え。

情報が出回りきらない状態であれば、スクープやニュースとしての価値が高いため、余計な手間暇をかけて行間を読ませるコンテンツを用意する形にこだわる必要はない。インパクト勝負で奇をてらったコンテンツをひねり出してバズれば勝ち。バズるだけのクオリティをたたき出しながら、運良くトレンドに乗っていければいい。その結果、残るのは「注目されればそれでいい」という中身の薄いコンテンツの山でしかない。

類似の情報が大量に出回っている状態で、後発の書き手が同じ領域に進出していくなら、目先を変える方がいい。「モノ」の部分だけで勝負するのではなく、「コト」や「体験」としての総合芸術で勝負する方が賢い。「書き残すこと」や「いいコンテンツ体験」を気にかけて情報伝達の「コト化」に取り組んでいけば、自然に醸したいコンテキスト、文脈も醸成されていく。

読み手を裏切らない、読んでもらう人を大切にする、少しでも楽しんでもらう。これさえ忘れないように「コト化」に注力した「コンテンツ」を積み重ねていけば、自然と自分だけの居場所、自分たちだけのブランドやファンを確立していけるのではないかとも睨んでいる。

「モノとしての価値」だけを追求していけば、ニュース性や過激さ勝負にならざるを得ない上に、それをひたすらやっている(ノイズ情報しか作っていない)先発組やリソースが豊富な強者が沢山いるレッドオーシャンにどっぷり浸かることにもなり得る。
しかし、「コトとしての価値」を追求していけば、勝負の仕方はいかようにも変えられる。似たような情報を扱うにしても、重点を置くポイントを少し変えることで、正面衝突を避けられる。

即死を避けつつ、悪目立ちもしない、リソースの無駄遣いも正面衝突も避ける。そういう負けない戦略を効率良く進めていくためにも、「コト化」された情報伝達を目指していきたいと思っている。

優れた「コンテンツ」より、「受け継がれる文化」を作りたい

「モノ」として優れたコンテンツを目指さないとは言わないけれども、栄華を極めるため、綺麗な花を咲かせるためだけにリソースを投入するのはやりたいことではない。立派な化石を残すより、未来にも生き続ける「目に見えないモノ」を残したい。

優れた「コト消費」としてのコンテンツなら、書き残せば残すだけ、コンテンツの間にコンテキストが生まれる。モラル的に間違っていない哲学や、過去に根ざした新しい発想がコンテキストの根底にあるなら、「コト」の積み重ねがやがてブランドや文化に変わっていくのではないか、とも思っている。

リソースを投入するのなら、そういった部分を意識した活動をしなければ、時間や複利効果を味方につけることができない。変化の速さに対応したり、時代の変化に対応するには、変わり続けるための余力を常に持っておきたい。余力を残せるように効率よく動くには、一回使い切りのすごいモノを目指すよりは、検証の余地を残しながら改善し続ける、新陳代謝を繰り返す方がベターじゃないだろうか。

根底にある哲学や理念を変えることなく、コツコツとブレずに「コト化された情報伝達」に取り組み続ける。すぐに芽が出るレッドオーシャンに飛び込むことなく、無理しなくてもいい土壌を自分で作っていく。「モノ」以外の部分にも思想をもたせられる「垂直統合」型のコト消費で、自分の価値もブランドの価値も無理なく高めていく。その果てに、「いつまでも生き続ける想い」みたいなものが残せるのではないかと思っている。

時間の流れに耐えうる、普遍的な「コト消費」を目指したい

目先の利益を追いかけるなら、「モノ消費」な従来型の情報伝達、コンテンツ制作をやり続ければいい。でも、そこにはすぐに陳腐化する罠や、「頑張り続けなければならない」という罠も待っているように思う。これに加えて昨今はすぐにコストダウンもかかってしまう始末。情報の世界においては、「モノ消費」に新参者が取り組むメリットがほとんどないように思える。

目先の利益としては小さくても、時間をかけて磨き上げていけば、他の追随を許さないブランドや文化が残せそうな、「コト消費」型の情報伝達、コンテンツ作りの方がチャンスがありそうだし、性に合っている。時間の流れにも耐えうるモノを残すとなると、その時にしか通じない言葉や表現を使ってしまうと即アウト。どこでも手に入るもの、時代や場所が変わっても理解できる純度の高い表現を選ばなければならない。

選び抜いて、磨き込まれた表現は、それだけで素晴らしい価値を生む。高級時計や宝飾のような、道楽の世界にも似た話になるからこそ、目安の値段なんか無関係にできる。そのレベルを目指して、「コト消費」としての情報伝達に取り組む。それが、自分よし、相手よし、世間よしの「三方よし」な仕事に繋がるのではないかと思っている。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2016.12.08

2016.12.08

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