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背中越しの京子は、暖かかったし柔らかかった。同じ布団の中で据え膳食わぬのに、おっぱいはまさぐってしまったのを、少しばかり反省する。
高校の同窓会で連絡先を交換して以来、二年ぶりにメッセージを寄越してきた京子は、「とにかく泊めてくれ」という一点張りで、一人暮らしの僕の部屋へ押しかけて来た。翌朝には帰るから、とキャリーバッグを引いてわざわざ歩いてきた彼女を押し返すだけの気力は、僕にはなかった。
沢山友達がいるだろうし、正式におつきあいしている彼氏もいるらしいのに、「どうして僕だったのか」と聞くと「オンナにキョーミない感じがしたから」と言われていたのに、一つしかない布団の中に入ったら、おっぱいだけは触ってしまった。
「ハタナカ君なら、いいよ」
少し恥ずかしそうに言った京子の身体は、触りたくなる重さと温もりをもっていたのに、おびえた小動物のように震えていた。自分の下腹部でやる気を起こしたムスコにも気がついて、なぜ触ってしまったんだと、余計に後悔した。
「ハタナカ君も、普通の男の子だったんだね」
「えっ?」
「周りの人間のことなんか興味ないというか、ちょっとバカにしてる感じがして。大人になることしか見てない感じが、カッコよかったんだけど」
「嫌いになった?」
「人間らしいところもあるって分かって、よかった。ちょっと、びっくりしちゃったけど……」
「驚かせて、ごめん」
背中を向けたまま、固くなった下半身がバレないように謝った。