文章修行 徒然(5)

2017.02.14

読んだり書いたりしながら、考えたり感じたりしたことを思うままに書いてみる第5段。

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文章修行と言いながら、半分以上は本を読みながら感じたことを書いている気がするけれども、そのうち書く方も増えるさ。

前回から今回までに、『マリアビートル』(伊坂幸太郎著 角川文庫)、『火車』(宮部みゆき著 新潮社文庫)、『ミッション・ソング』(ジョン・ル・カレ著 光文社文庫)を読んだ。伊坂幸太郎で思ったことは前回も書いたとおり、どこかに「マンガっぽさ」を感じさせる感覚があった。最後まで読み通しても、なお思うところ。

それに対して、宮部みゆきの『火車』からはゲームっぽい感じを覚えた。ヒントが割と明瞭になっていて、RPGやアドベンチャーゲームでも進めるような構成。小説だろうと何だろうと、プロットを組み立ててミステリーを書くとなるとそうなるのだろうけど、ある種の「分かりやすさ」は、ユーザーに配慮が行き届いたゲームデザインがされているなと思ってしまった。

脇役にも小イベントがあったり、別々のフィールドをそれぞれ行き来してイベントを進めていく感じがするのも、やっぱりゲームっぽいかな。ベースの小説を書く力に加えて、そういうスタイルが加わっているのだから、流石に売れ筋の人たちは違うなとも思った次第。

また、一方で『ミッション・ソング』に関しては、あんまり読みたい感じではなく、相当な斜め読み、ほとんど読み飛ばした感じで閉じてしまった。『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』のような、ジョージ・スマイリーを主役にしたシリーズっぽいものを期待して読んだものの、それとは大きく違っていた。

もちろん、随所にル・カレ流の経験に即した描写や仕掛けは施されているのだろうけども、ちょっと筆致が軽い感じだし、そういう人物描写を求めて、ル・カレを読もうとは思わない。これはあくまでも好みの問題だろう。しかし、「ル・カレで読みたかったのは、こういう感じ」という先入観、期待感も持ってしまうと、そこから離れた「新境地」はたとえ売れ筋であっても、「なんか違う」になってしまう。

普通の小説として読めば、そんなことは全くないレベルの物語だろうけれども、やっぱり書き手それぞれに求める「味」みたいなものが存在していて、そこから外れてしまうと「こうじゃないな」と思われてしまう。それも、ル・カレぐらいの書き手(ただ、翻訳者によってバラつく)であっても、そうなる。自分の書き口や個性みたいなところを見誤らないようにするのは、難しいけれどもやらなければならないところである、と。

「売れればいい」とするのか、「新境地を試そう」とするのか、「売れなくても、自分の個性」を取るのか。書くというのは、本当に難しいなと思う今日この頃。いいから書け、って話ですよね。そろそろ、書くよ。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.02.14

2017.02.14

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