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様々な社会問題と、身近な問題と
本当に色んな社会問題が表出している。子どもの貧困、いじめも一つだし、人口減少云々、大きな経済問題、地方創生、本当に様々だ。問題の解決に当たるにも中々解決方法が見えてこないのでしょう。頭のいい人たちが考えても問題が根絶しないのだから。
ふと、身近な問題を見てみると、自分の仕事にも問題は散らばっている。お客さんの大半である個人事業主さんや、法人成りしたばかりの小さな法人さんなど、どちらかというと「売り方」について苦戦している人の方が多い。「どうやって広げていったらいいか」をじっくり考えて、着実に実行していくのが苦手な「見切り発車型」、「勢い重視」な人たちもいらっしゃる。
問題は山積みで、「HPを作るだけでは何も解決しないですよ」というのも、「分かっているんだけれども」という人も割といらっしゃって、そもそも「どういうHPを作ればいいか分からない」でお話をいただいたり、作る側から見て「これでは、何も伝わらないし、買ってももらえないだろう」と思うような案件だったり。「作っただけでは意味がない」というのも良くお分かりになっていて、これまでの「経験と勘」では何ともならない状態で、「少ないリソースできっかけをつかみたい」というケースがほとんどな気がする。
リソースが潤沢で、フォローアップする人材や体制も十分な大手企業であっても、「いいものを作っても売れない」時代。見る人が見れば「大手よりいいもの」を取り扱っていたとしても、やはりどこか「見劣りがする」ところがあったり、「同じものさしで見れば叶わない」商品、サービスを取り扱われている方々に向けて、従来通りのやり方で作った「HP」やそれに類するクリエイティブをご提供してみても、上手くはいかない。
自分の見ている世界が、極端に草の根で、極端に条件の悪い部分にいるのかもしれないけれども、かつて栄華を誇っていた大手の一部も画像が崩れてきているところを見る限り、この手の「上手くいかない」はそこら中で発生しているように思える。何が「上手くいかない」のか。端的に言えば、「売ること」が上手くいっていない。つまり、「需要の創出」ができていない。この一言に尽きる気がする。
サプライサイドの「経験と勘」で情報を伝えても上手くいかなくなっている
話をもう一度、草の根の世界に戻していくと、なぜ「売れない」のか。あるいは、なぜ「HPを作る or リニューアル」しても「成果が上がりきらない」のか。下請けや孫請け、曾孫請けでやっていた時代も振り返ると、それはひとえに「受け取る人のことを考えていないから」に尽きる気がしている。これは、経験則や作り手としての勘が多分に混じっているからエビデンスがあるとは言えないのだけれども、「伝え方」に問題があって「上手くいっていない」ような気がする、というのが今の動きの立脚点になっている。(凄く危険だ!!)
サプライサイド、すなわち「売り手」側の「常識」や「思い込み」からスタートして、受け手側を「ターゲット」という架空の漁場に見立てるところから、ボタンはかけ違っている。すでに、受け手側の方に選ぶ権利が渡っていて、本当に購買力のある人であればあるほど、この力は強まっている。そこに、サプライサイドの「経験や勘」に基づいた伝え方を、間にいる人間が何も考えずに伝えていくようでは、「上手くいかない」のは当たり前で、その「当たり前」に対して「仕事だから」と目先の利益を追いかけっぱなしになるから「上手くいかない」が連鎖していっている。
この流れを、逆転させる。そのために、とことん「繋ぐ」というところにこだわろうと思っている。繋ぐ、すなわち「売買関係の成立」や「交換関係の成立」だ。買い手側の立場で、「どうやったら買ってもらえるか」、「何が買わない理由なのか」を考えて、売り手の側から検証していく。仮説を立てて、間違ったデータを追わないように細心の注意を払いながら、「買ってもらえるシナリオ」や「買ってくれるペルソナ」を確立するために、データの取りやすい「HP」や「Web」を活用していく。
どんな商品やサービスであっても、「買ってくれる人」はいる。その人のことを考えて、無駄なく「買ってもらう」にはどうするかを考えていく。お互いに「人と人」として気持ちのいい関係を築きながら、「お金」や「気持ち」をやり取りしていく。有償、無償関係なく、「受け手最優先」で情報を伝える工夫や努力をしていく。「売れる」を解決するために、全力で向き合おうというのが、「繋ぐ」に注力する理由である。
「考えた通りに買ってもらえる」をいつでも再現できる人になる
そうすれば、自分の商品やサービスを高めるために注力してもらえる。思い悩むことなく、自分の才能を発揮してもらえるようになる。その分、自分のことを再現なく高めざるを得ない状態にも追い込むことになるので、優しいのか厳しいのかは分からないのだけれども。
「経験と勘」に基づいたマグレ当たりを狙う、リソースを無駄遣いして何度もシマや商材を変えるよりも、まず小さく試してみて「再現性の高いパターン」を見つけてみる。それも、データで検証しながら確かめていく。確率を上げていく。
この時に大事なのは、強引に「一つのコンテンツ」で分かってもらおうとするのではなく、コンテンツの塊に何度も触れていくことで、相手の中にコンテキストを発生させていくこと。そのコンテキストを支える背景や空気感から上手く作っていければ、新商品をリリースするたびに一所懸命「買ってください」とやらなくても良くなる。いい意味で、頑張らなくても良くなる日が来る。
「コンテンツ」で勝負しない。「コンテキスト」やコンテキストよりもっとふわっとしたムードや空気感で勝負する。サプライサイドで工夫しない、デマンドサイドからスタートして、サプライサイドのことを考えていく。逆転の発想で、草の根の経済活動から「上手くいかない」を減らしていければ、より大きな問題も解決できるのではないかと期待している。
色んな問題も、結局は「売る」「買う」を解くところから
経済の問題も、心の問題も。大人の問題も、子供の問題も。表に出てきている症状だけを追えば千差万別だけれども、コアのコアは「売る」や「買う」を解決できていない、「需要の創出」が出来ていないというところに尽きる気がする。この問題を無視して、「とにかく新しいものを作れば売れる」と思ってサプライサイドだけで頑張ってみてもダメで、一番身近な「関係性を作る」という部分、「人間関係」を作るように「相手と繋がる」ことを解決しないと、何も上手くいかない。
逆に言えば、やるべきことはそれだけ、とも言える。個人的にできることやお手伝いできることも、究極的には「それ」だけ。だから、「繋ぐ」ことに注力していく。
色んな問題を、目の前の「繋ぐ」や「売る」「買う」をどうにかするところから解決していきたい。いつか世界が平和になると信じて、今日もそこに向き合う仮面ライターです。
余談
ちなみに、今回の参考文献(Amazonへのリンクも付してます)
- 『資本主義という病 ピケティに欠けている株式会社という視点』(奥村 宏著 東洋経済新報社)
- 『母という病』(岡田尊司著 ポプラ新書)
- 『父という病』(岡田尊司著 ポプラ新書)
- 『パーソナリティ障害―いかに接し、どう克服するか』(岡田尊司著 PHP新書)
- 『中空構造日本の深層』(河合隼雄著 中公文庫)
- 『河合隼雄セレクション カウンセリングと人間性』(河合隼雄著 創元こころ文庫)
- 『カウンセリングを考える (上)』(河合隼雄著 創元こころ文庫)
- 『カウンセリングを考える (下)』(河合隼雄著 創元こころ文庫)
- 『貧乏人の経済学――もういちど貧困問題を根っこから考える』(アビジット・V・バナジー/エステル・デュフロ共著 みすず書房)
- 『善意で貧困はなくせるのか?―― 貧乏人の行動経済学』(ディーン・カーラン/ジェイコブ・アペル共著 みすず書房)
- 『メンバーの才能を開花させる技法』(リズ・ワイズマン 他著 海と月社)
- 『スティグリッツ教授のこれから始まる「新しい世界経済」の教科書 』(ジョセフ・E. スティグリッツ著 徳間書店)
その他の読書も、絡まりながら上記に繋がっています。「(新しいモノで)売上を上げる」には幾らかの変化や現場に力をもたらすことが必要なのですが、それを拒む要因は何かというものを考えていく、色んな角度から見ていくと、「経済問題」の裏には「心の問題」があるらしい、と。「ウロボロスの輪」を形成していて、どちらか一方を解決してもダメなんだろうな理解をしています。(異論は多々あるでしょうけども)
苦戦しているであろう、大手企業、大手企業に連なる中小企業、そして草の根の経済圏と。そこに勤務されている人たちの問題を解決するには、どこかで「売る」や「買う」という「需要の創出」を解決しないとダメなのに、どうもみんながみんなそこを避けている、あるいは「分かろうとしていない」ようにも思っています。
「ほら、やっぱり正しいでしょう」というのを示すため、エビデンスを集めて納得させていくのが今の段階に思えるので、兎にも角にもそこに注力して、大きな変化に繋げていけるまで頑張っていければとも思っています。