「物語」の力が、全体最適の切り札な気がする

2017.05.05

仮面ライターに提供できるモノは何か。仮面ライターと他社との違いは何かを考えてみて、なんとなく見えてきた答えを整理してみました。

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少ないリソースで効率よく事業をやるなら、全体最適が欠かせない

ある特定の箇所に一時的に注力して最適化する「部分最適」だけで、永く続けていくのは難しい。無駄が出てしまったり、無理が出てしまったり、時代の変化に付いていけなかったり、あるいは焼き畑農業的な利益の上げ方になってしまい、瞬間的に大きな利益を上げられたとしても、それだけで終わってしまいがち。

運良く稼げたとして、次の「部分最適」と繋げることが出来ればいいが、中々そう上手くいくとは限らない。予測は建てられたとしても、所詮は予測。外れる可能性も十分にある。また、見切り発車でリソースを大量に捨ててしまうケースにもなりがち。表面的な応用に振り回されて、臨機応変という名の無茶振りに周りが付き合わされることもある。

そういった事態を避けて、頭を使って事業をしなさい、一点突破型の弱者の戦略をとりなさい、と言う書籍が幾つかある。ドラッカーの『マネジメント』しかり、ジム・コリンズの『ビジョナリー・カンパニー』しかり。ここ数年はやりの、「USP」やら「ブランディング」やら、「MA」や「UX」も。その根底にあるのは、「ブレずに集中。言語化して、全体最適をしなさい」ということなのではという気がしてきた。

ただ、きちんと理解していない人たちのやっていることは、極めて表層的にも思える。カタカナ語やアルファベット数文字の概念を持ってきて、フレームワークという名の便利グッズでチャチャッと取り組んでいく。結果、「UXだなんだ」「マーケティングオートメーションがなんだ」、「SEOの本質云々」やら「マーケティングというのは理念が大事云々」みたいな、お題目的な部分最適だけが増えて行く。

その結果、何が起こっているかといえば「売れない」もしくは「売り上げが伸びにくい」状態の継続。部分的には最適化しているから一時的に伸びたとしても、継続はできない。結局、まぐれ当たりの種類がちょっとずつ変わっているだけで、積み重ねができているとは言い難い。

なぜそんなことが起こるのかといえば、全体最適をきちんと考えられていないから。本来、時間もコストもかかる本質的なことに向き合わず、簡単に手が打てることしかしないから。自分たちの事業がどんなものか、周りと比べてどうなのかという全体像を考えることもない。外部のコンサルタントもそこをきちんと考えることなく、どこかで見たようなものをトレースして、表面的な表現だけを変えていく。

ましてや、作る側の人材も質がいいとは限らない。オペレーション的なテクニックだけが優れていて、何がいいか悪いかを判断する能力もなければ、何が面白くて何が面白くないかを判断する知性も教養もない。チェックする側の上司、その先の顧客まで、そういう人材が配されている可能性もある。

そうすると、コストだけがかかって魅力のなくなった情報だけが発信されていく、ことになる。末端のエンドユーザーには、魅力の薄い情報がひたすらにバラまかれてしまう。その状態だと、どんどん買う気がしなくなるのはしょうがないと思いませんか? その結果、その手の事業に向き合いがちな若手の所得は減っていく一因になる。

モノが売れない、コトが売れない。施策を打っても成果が出ないから、予算を削る……。こういう事態を避けるためにも、「物語」というキーワードでもう一度、全体最適を考えていきたい。

生活者が求めているのは、「物語」

「人が動くのは感情」とか「人は快を求め、不快を避けたい」とか。そこに購買行動を絡めればいい、みたいなテクニックをよく耳にする。あるいは心地よい体験を味わいたくなるように、「コト消費」を設計する、みたいなコトも最近聞く。モノ消費、コト消費。あるいはデザイン思考、それこそUXとか。

でも、これは根本を理解していない人の発言なんだと、最近思う。感情が動くのはそこに「良質な物語」があるからで、「快を求め、不快を避ける」ための先行指標や呼び水に「良質な物語」があって。コト消費やデザイン思考、UXにもベースになる「良質な物語」が不在であれば、時間とともに魅力を失っていく。

生活者がお金を出してまで求めたくなるのは、もはや「エンターテインメント」、すなわち「物語」しか残っていない。それ以外は「消耗品」でいい。グラデーションはあるにせよ、高い金を払って、わざわざ時間をかけて味わってくれるのは、「物語」や「物語の欠片」しかないんじゃないか、と。

少なくとも、自分が「Mac」を使うのも、「iPhone」を使うのも、そこにスティーブ・ジョブズが追求した「物語」があったから。他のPCやスマホで同じコトができたとしても、多分買わない。多少高くても、『知(性)の自転車』を味わって欲しいと思っていた世界観、物語に浸っていたいし、iPhoneに込めた物語の世界がいい。

ジョブズの考え方、『Think Simple』も、全体最適の一種。どんな「物語」を届けたいのか。誰に届けたいのかをしっかり考えて、その「物語」がきちんと届けられるように全体を最適化する。部分の総体が全体であるから、部分の細部にもこだわる。それを当たり前のレベルにするためには、やはり「良質な物語」がコアに。それも言語化されていなくてはいけない。

理念も大事だし、ビジョナリーであるようにクレドを考えるのも大事だろう。ブランドのコアやスローガンが何かを考えるのも重要だし、ペルソナが誰かを考えるのも大事だけれども、その根本の物語がハッキリしないと、他との違いなんてすぐになくなる。創業者や創設者の生きた証、人生があって、そこで生まれた哲学や価値観があって、その上に広がる世界の見方がある。どんな世界を作りたかったのかというメッセージがあって、それがどんな物語なのかという唯一性まで考えられなければ、すぐに陳腐化する。

つまらない物語も求められていないし、物語として破綻しているモノも求められていないし、表現的に拙い物語も求められていないし、満足しない物語も求められていない。いつまでも忘れるコトができない、良質な物語が求められている。

ただ、モノを売るだけじゃない。ただ、サービスをデザインするだけじゃない。ただ、コト消費を考えるだけじゃない。ただただ、UXをフレームワーク的に考えるのも最悪だ。一貫した物語があるか。それも人の匂いがまるっきりしない無味無臭の物語ではダメで、訴えかける本物の物語を作るには、リアルに根ざした物語でなければいけない。

モノを売ろうとしない。出来損ないのコト消費を広げようとしない。表面的なUXで満足しない。物語になっているかどうか。その物語が感動的なものになっているかどうか。伝えたかった物語がきちんと全部に表現されているかどうか。それだけを考えればいい。物語を感じさせる商品、サービスを作っていかなくては選ばれない世の中が、もうすぐそこにまで来ています。

効率よく事業をしていくためにも、「貴方ならではの物語」を考えませんか?

全体最適に活用できる可能性を秘めた、「物語」ですが、これも理解していない人がサポートに着くと、また同じコトの繰り返しになります。本質を多少なりとも理解しようとしている人と一緒にやらないと、効果が出ません。

何処かで見たような物語を作っても、多分意味がありません。貴方にしかない違い、貴方が培ってきた想いが何かをしっかり導き出してみませんか? どんなに些細な違いでも、どんなにささやかな物語であっても、必ず伝わる物語にできるはず。一緒に考えていきましょう。

小説も書く、マーケティングやブランディングも考える、コンサルティングもやる、ウェブサイトの制作も最後まで担う仮面ライターだからできる、「物語」の力による全体最適。即効性は皆無ですが、効果は必ず出ると思いますのでご興味がある方はお声掛けください。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.05.05

2017.05.05

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