「選択と集中」をもう一度考える。

2017.05.15

無料のWebサイト制作サービスが出てきたので、それに対する考えを改めて整理してみる。考えを分解していくと、底にあったのは「弱者の戦略」の再考、再実行でした。

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大前提。「1回1行動」と「コインの裏表」を忘れない

これからどんな話を展開しようかなと考えながら、まず土台になる部分を揃えられればと思うので、考えの大前提を整理していきましょう。まず、「1回1行動」ですが、「時間と身体」の関係上、「その瞬間」に取れる行動は基本的に1つです。身体の使い方を熟知している人や、「ながら行動」も想定すれば、この数はいくらか増えますが、限界は来ます。「動作」ではなく「移動」と考えれば、必ず一つの方向にしか動けません。大阪から、京都に行きながら、神戸に行くを同時にやることはできません。二箇所へ同時に電話をかけるというのも、現代では無理ではないですが、出せる話題は基本的に一種類だけでしょう。二つ以上の話を同時にやると訳が分からなくなって、こんがらがってしまいます。

まるで、ボードゲームや昔のターン制RPGの戦闘シーンみたいですが、基本的には「1回1行動」です。選べるのは1つだけと考えておいたほうが、「あれもこれもできる」と考えるよりは間違えないでしょう。そして、「1回に1つしか選べない」となると、「選ばなかった他のもの」も生まれてきます。これが、「コインの裏表」です。

例えば、100円を握りしめてコンビニエンスストアに行って、お茶が100円、おにぎりが100円であれば、両方は買えません。どちらも選ばない、あるいはどちらかを選ぶ。あるいは、誰かに100円を借りる、他の人に買ってもらう、お店の人と交渉して譲ってもらう、別の店で両方を帰るところにいく。(時間を使って)

何かを選べば、何かを選べない。基本的なルールはコレです。例外もありますが、そこはプレイヤーの工夫や知識が前提のなるので、あくまでも例外です。また、ややこしいことに「メリットとデメリット」も同時に存在します。

光が当たれば影になる、シルエットの部分だけを見つめていれば光の部分が背景になる。どちらかだけを見るようにすれば、もう一方は必ず裏に回る。100円を払っておにぎりを買うと、100円を失いますが、食料を得ます。100円を失っただけ、にはなりません。100円で得た食糧を元に活動し、生産活動を行って200円を手に入れることも考えうる訳です。

「一挙両得」、あるいは「一石二鳥」という言葉もありますが、得して得た分、それまでの準備が膨大だったり、後から羨ましい目でみたれてしまったり、必ずしも得することだけとは限らないのが、世の中の原理原則なんだと個人的には思っています。これが、まず大前提。

「一見お得に見えるサービス」も、どこかにデメリットが隠れている

無料で使えて、色んなことができるWebサイト制作サービス、あるいはブログサービス。短期的な「コスト」という面でいけばメリットがあるように思えますが、本当にメリットだけでしょうか?

例えば先日、Facebookが一時ダウンするという状況がありました。数年前、急にアメーバブログのアカウントが凍結されるという事例もありました。6秒動画を提供していたVineが突然、サービスが終了するという事例もありました。時計のサイクルが早いWeb業界、IT業界、スタートアップと呼ばれる方々のサービスは、いつの間にか「使えなくなる」可能性をはらんでいます。また、一部の迷惑なユーザーのせいで、全てのサービスが停止するという事態も決して稀ではありません。

技術の進歩やトレンドの変化も非常に早く、「リリース当時は最先端だったもの」も数カ月から半年で埃をかぶることも良くありますし、人の悪意や不注意でサービスが止まるという可能性もゼロではないです。

もちろん、自分でドメインと取得して、自分でサーバを構築する、あるいはレンタルするなどして運用していても攻撃を食らったり、表示が停止される可能性を完全なゼロにすることはできませんが、的が小さくなる分、狙われにくくはなります。

そういった、「目に見えないリスク」を「無料」というメリットを享受するために選択しているんだということを、きちんと考慮してください。また、「無料で使える」部分に縛られすぎると、注力するものを見誤ることにもつながります。

コンテンツホルダー、ビジネスオーナーが注力するのは、「Webサイトの構築」ではない

「無料で使えるから」と、そこで作れるWebサイトなり、ブログなり、あるいは各SNSが提供するビジネス用アカウントなりに注力していくと、それなりの「時間」がかかります。ビジネスオーナーさんがお金をかけずにやると一見「無料」に見えますが、そこにはオーナーさんの人件費や生活費がかかっています。また、同じ時間をかければ稼げるはずだった利益、その利益を再投資して得られたであろう利益も霧散している状態です。

「Webサイトを作ること」を選択して注力すれば、「事業に取り組む」部分が疎かになります。無料で使えるからと一所懸命作り込んでいっても、効果の薄いWebサイトに仕上がってしまえば、トータルで見ればデメリットでしかないと思うのですが、いかがでしょうか。

それがオーナーさんの得意なことであり、事業に直結していることなのであればやるべきだと思いますし、他の方にお任せしてしまうと大事な部分が抜け落ちるということであれば、ご自身でやるべきだと思います。しかし、そうでないなら「集中と選択」で思い切って外注するなり、信頼できるところとアライアンスを組むなりして、体勢を変えていったほうがいいかと思います。

オーナーがやるべきなのは、「事業を育てること」や「組織を育てること」であって、「Webサイトを育てること」や「上手にブログを書くこと」じゃないです。「自分をうまく見せる、影響力を増す」といったものも、一人で全部やろうとすると上手くいかずに失敗するでしょうから、上手く回りの人に頼って欲しいと思います。

無料制作サービスを使うなら、中長期の取り組みも用意しておく

「オーナーがやるべきことではない」と言いましたが、最初の頃は予算の関係上どうしてもお金をかけられない、というご事情もあるかと思います。そんな時は、遠慮なく無料のWebサイト制作サービスをご利用されてください。拙くても想いを発するというのも、とても大事なことだと思います。

また、制作を依頼する場合に、「こんなものを作って欲しい」というものがある程度形になっていたほうが、求めるものが素早く出来上がってくる可能性が高いです。手書きのメモで伝えたり、口頭で指示を出すよりは、無料の制作サービスでたたき台を作ってみて、それを元に発注をかけた方が作る側もいいものを作りやすいかと思います。

いずれにせよ、長期運用してその上で本格的に時間を割き出すようなことは、避けられた方が得策です。あくまでも試作品、暫定的に想いをまとめるあるいは伝えるために使うという役割にとどめておいて、ある程度余裕が出てきたら即座に切り替える、あるいはお金をかけたサイトが十分に育ってくるまで二重で運用するという体勢を取られた方が無難かと思います。

目先で「無料だから」と飛びつかないこと、中長期的にどう進めていくのかという考え、狙いを持っておくことをお忘れないように。

「強みに集中」するべく、かけるべきコストはかけましょう

無料のWebサイト制作サービスを選択する、という話からはだいぶはみ出てしまいますが、早い話が「自分一人でなんでもやる、コストを抑えてできるだけ頑張る」という話につながっていきます。短期的に見れば正しいかもしれないですし、得られる経験値もあるので必ずしも間違いだとも言えないのですが、新しいビジネスに集中したいという場合や、中長期的な成長を考えた場合、正しいとは限りません。得意なことだけに注力する、やりたいことだけに注力していけるように、周りの人と連携することを考えてください。その方が、エンドユーザーさんへの貢献にもつながっていきます。

かけるべきコストをかけて、分業していく。信頼できる人同士でアライアンスを組んでいく。「コストをかけない」ことから来るデメリット、リスクもあるんだということも、頭の片隅に入れた上で原理原則に則った行動を選択してもらえればと思います。

効率よく利益を上げて、顧客への貢献を最大化する。オーナーさんが注力するべき部分はそこだけじゃないかと思うのですが、いかがでしょう? 「そうは言ってもね」と思われた方、お気軽にご相談ください。仮面ライターが可能な限りサポートします。

執筆者プロフィール

長谷川雄治(はせがわ・ゆうじ)

物書きな作れるWebコンサルタント。
HTML/CSSのマークアップやWordPressのカスタマイズ案件を経験し、サービス構築やブランディング、サイト設計や戦略プランニング、各種原稿、書類作成まで担う。
独自色の強いコンテンツマーケティングの人という立ち位置も見出だしつつあり、不足しているものを補うべく、日々実践中。

2017.05.15

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